メルヘンチックな中世の街並みと古城をめぐる！「チェコ」と「スロバキア」のおすすめ観光スポット25選

プラハ歴史地区は、中世の雰囲気が色濃く残るヨーロッパ屈指の美しい街で、1992年には世界遺産にも登録されています。石畳の路地やオレンジ色の屋根の建物、ゴシックやバロック様式の壮麗な建築が街全体に広がり、まるでタイムスリップしたような感覚を味わえます。「百塔の街」とも称されるプラハ歴史地区には、「カレル橋」や「旧市庁舎の天文時計」、「プラハ城」や「聖ヴィート大聖堂」など見どころも豊富。歴史と芸術が融合したプラハ市内にはトラム（路面電車）が走り、車窓からの眺めも楽しめます。

プラハ城は、首都プラハのフラチャヌィの丘に築かれた古城で、9世紀に建設が始まりました。歴代の王や皇帝の居城として、現在は大統領府が置かれるこの城は、チェコの歴史と文化の象徴です。城内には壮麗な「聖ヴィート大聖堂」や「旧王宮」、「聖イジー教会」や「黄金小路」などの見どころが点在し、さまざまな建築様式が融合した独特の雰囲気を楽しめます。特に歴代の王の墓が収められた「聖ヴィート大聖堂」は、ステンドグラスや豪華な内装など、歴史ファンや建築愛好家にとっても見応え十分。城からはプラハ市街の美しい眺望も楽しめます。

聖ヴィート大聖堂は、プラハ城内にあるゴシック建築の傑作で、国王の戴冠式や王族の埋葬が行われた歴史的聖堂です。建設は925年頃に建てられたロトンダに始まり、14世紀にゴシック式大聖堂の建築が進められました。外観は重厚で荘厳、内部は美しいステンドグラスが光を受けて輝き、特にアルフォンス・ミュシャが手がけた「聖キリルと聖メトディウス」が有名です。また、聖ヴァーツラフ礼拝堂にはボヘミア王の守護聖人である聖ヴァーツラフの墓があり、宝石で飾られた荘厳な空間が広がります。高さ約96mの塔には展望台があり、プラハの旧市街やカレル橋を一望できます。

黄金小路は、プラハ城の一角にある中世の雰囲気を色濃く残す小さな路地で、16世紀末に神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の時代に建てられた、童話のような可愛らしいカラフルな家々が並んでいます。「黄金小路」という名前の由来は諸説ありますが、かつて錬金術師たちが住んでいたことに由来するとも言われ、20世紀初頭には作家フランツ・カフカが一時期滞在していたことでも知られています。現在、一部の家は土産店や博物館になっており、当時の家具や服、調理道具などを再現展示し、中世の暮らしを見学することができます。

モルダウ（ブルタヴァ川）に架かるカレル橋は、プラハの旧市街とプラハ城を結ぶ全長約520mの石橋で、14世紀後半にカレル4世の命で建設が始まり、15世紀初頭に完成しました。ゴシック様式の橋は3つの橋塔を持ち、橋の両側には聖書や歴史的英雄をモデルにした30体の聖人像が並びます。石畳の橋上は車両通行禁止で、日中はストリートミュージシャン、画家、露店などでにぎわいます。朝夕には川越しにプラハ城や旧市街の美しい景色が望め、霧や夕焼けの中での幻想的な雰囲気も魅力です。歴史と芸術、絶景が融合したプラハ観光の象徴的スポットです。

旧市街広場はプラハの中心に位置する、中世の雰囲気を色濃く残す歴史的な広場です。広場の歴史は11世紀頃にさかのぼり、中世以降プラハの歴史の節目ごとに重要な役割を果たしてきました。旧市庁舎の南側には、15世紀頃に造られた現在も稼働中の天文時計があり、広場の東側にそびえ立つ2本の尖塔が特徴的なティーン教会（聖母マリア教会）など見どころも多い、プラハの観光には外せないスポットです。広場は一年を通してイベントが多く開催され、特にクリスマスマーケットは世界的に有名です。

旧市街広場に面したプラハ旧市庁舎は、14世紀頃に建てられた歴史的建物で、ゴシック様式の塔が特徴です。最大の見どころは塔の壁にある天文時計で、1410年に設置されたと伝わる世界最古級の稼働時計です。毎正時になると、死神の像が鐘を鳴らし、十二使徒の人形が現れ時を告げる仕掛けは必見。時計は時間だけでなく太陽や月の位置、暦、黄道帯も表示し、ヨーロッパの中世技術の傑作とされています。塔の展望台からは、旧市街のオレンジ屋根の街並みや広場、プラハ城まで一望でき、写真スポットとしても人気です。

プラハ城の西側に位置するストラホフ修道院は、12世紀に創建されたプレモントレ会の修道院です。特に有名なのが、17〜18世紀に新設された「哲学の間」と「神学の間」からなる壮麗な図書館で、フレスコ画で埋め尽くされたバロック様式の装飾天井や、古書が並ぶ空間はまるで芸術作品。歴史ある写本や神学書、聖書などが保管され、天球儀や地球儀も展示されています。修道院の一角にはビールの醸造所があり、修道士の伝統を受け継ぐ地ビールを堪能できます。修道院の周囲からはプラハの街並みが一望でき、喧騒を離れてゆったりと過ごせる隠れた名所です。

プラハのクリスマスマーケットは、ヨーロッパでも特に美しいと称される冬の風物詩です。毎年11月下旬から12月にかけて、旧市街広場やヴァーツラフ広場などを中心に開催され、幻想的なイルミネーションと歴史的な建築が相まって、まるでおとぎ話の世界のような雰囲気を醸し出します。旧市街広場の巨大なクリスマスツリーは特に有名で、毎晩ライトアップイベントが行われます。マーケットでは、ホットワインや伝統的なチェコ菓子（トルデルニーク）、手作りのオーナメントや木工芸品などが販売され、地元の文化や味覚を楽しむことができます。

1911年に完成したプラハ市民会館は、旧市街と新市街の境界に位置する壮麗な建物で、外観はアール・ヌーヴォーの美術家たちによる彫刻やモザイク、フレスコ画で美しく飾られています。特に、画家アルフォンス・ミュシャが内装を手がけた「市長の間」は神々しい空間が広がり、訪れる人々を魅了します。市民会館の中心的施設である「スメタナ・ホール」はクラシック音楽のコンサートホールで、「プラハの春」と呼ばれる音楽祭の主要会場にもなっています。

世界遺産「チェスキー・クルムロフ歴史地区」は、チェコ南部に位置する小さな町で、おとぎの国のような中世の面影を色濃く残す町並みが世界的に知られています。13世紀頃に城が建設され、16世紀になると、現在の姿でもあるルネサンス都市として繁栄しました。モルダウ（ブルタヴァ川）が町を蛇行し、丘の上に建つチェスキー・クルムロフ城の塔からは旧市街と川の絶景を一望できます。町には石畳の路地、カラフルなルネサンス風の家々、美術館やカフェが点在し、歴史散策と文化体験を同時に楽しめます。

チェスキー・クルムロフ城は、チェコではプラハ城に次ぐ2番目に大きな古城です。城は13世紀に建設され、ルネサンス期やバロック期に増改築されました。40棟以上の建物と5つの中庭があり、バロック式庭園にある回転劇場が見事です。館内には、貴族ロジュンベルク家やシュヴァルツェンベルク家ゆかりの豪華な調度品、壁画などが展示され、18世紀に改装されたバロック様式の城内劇場も見学できます。城から見下ろす旧市街の眺めは圧巻で、オレンジ色の屋根とモルダウ（ブルタヴァ川）が描く美しい蛇行が一望できます。

「五弁の薔薇祭」は、中世の雰囲気を色濃く残すチェスキー・クルムロフで毎年6月に開催される歴史的な祭りです。この祭りは、16世紀の貴族・ローゼンベルク家の栄華を称えるもので、「五弁の薔薇」はその家紋の象徴です。当時の貴族や騎士などに扮した人々が練り歩き、街には中世の空気がよみがえります。本格的な騎馬戦やフェンシングなど、迫力ある実演も行われ、マーケットには、手工芸品や伝統的な食べ物、地元のビールなどが並び、当時の生活文化を体験できます。

フルボカ城は、チェコで最も美しい城と称されるほどの優雅さを誇る古城で、シュヴァルツェンベルク家（ボヘミアの有力貴族）の居城として長年栄えました。現在の姿は19世紀の改築時に、イギリスのウィンザー城をモデルに建てられました。白く美しいファサードに塔や尖塔が並ぶネオ・ゴシック様式の外観は、まるでおとぎ話に出てくるお城のよう。内部は木彫りの天井や繊細な彫刻が施された壁、重厚な家具や絵画などで装飾され、貴族の暮らしぶりがうかがえます。

テルチは、南モラヴィア地方に位置する小さな町で、1992年にその歴史地区が世界遺産に登録されました。テルチの中心には、ピンクや黄色、青などカラフルで個性的な建物が並ぶ「ザハリアーシュ広場」があります。16世紀に整備され、現在も、当時の華やかなルネサンス様式とバロック様式の家々がそのまま保存されています。広場の北西にそびえる「テルチ城」は、元々ゴシック様式だった城を、16世紀にザハリアーシュ伯爵がルネサンス様式に改修したもの。内部には美しい礼拝堂や装飾天井、壁画などがあり、ガイド付きツアーで見学ができます。

チェコ東部に広がるモラヴィア地方は、ボヘミア地方と並ぶチェコの主要な地域のひとつで、温暖な気候と豊かな土壌に恵まれた、ワインの名産地として知られています。モラヴァ川流域に広がる肥沃な「モラヴィア大平原」は、小麦やトウモロコシ、ブドウなどのチェコ有数の農業地帯で、4〜7月頃は、まるで緑色の大海原が続くような風光明媚な景色が広がります。南モラヴィアにはワインケラーが数多くあり、ワインケラーの見学や試飲なども楽しめ、収穫時期には各地でワイン祭りが開催されます。

ブルノは、プラハに次ぐチェコ第2の都市で、モラヴィア地方の政治・経済・文化の中心地です。美術館や博物館、大学などが集まる都市でもあり、活気にあふれた雰囲気が漂います。13世紀に建てられた「シュピルベルク城」は、17世紀頃には要塞や監獄として使われ、現在は博物館となっています。ゴシック様式の美しい教会「聖ペテロ聖パウロ大聖堂」や、建築家ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエによる設計で世界遺産にも登録されている「トゥーゲントハット邸」、ブルノ中心部の「青果市場」の地下に広がる「地下迷宮」など見どころも多い街です。

レドニツェ城はモラヴィア地方南部に位置し、美しい庭園と貴族文化が息づく「レドニツェ・ヴァルチツェの文化的景観」として、1996年に世界遺産に登録されました。レドニツェ城は、リヒテンシュタイン家の夏の離宮として16世紀に建てられ、19世紀にはネオゴシック様式に大改装されました。城は白く優美な外観と、豪華な装飾の内装が見事で、貴族の贅を尽くした空間が広がっています。広大な庭園はバロック式庭園とイギリス式庭園があり、池や森林、ミナレットなどが点在し、パームハウス（温室）は、ヨーロッパ有数の美しさを誇ります。

カルロビ・バリは、チェコ西部にある世界的に有名な温泉保養地で、14世紀にカレル4世が温泉を発見したと伝えられます。町には15の源泉が湧き、温泉水を飲む「飲泉療法」や温泉プールなどスパ施設が充実。19世紀には鉄道が開通し、王侯貴族や著名人も多く訪れ、華やかな歴史を刻みました。見どころの一つである「ウジーデルニー・コロナーダ」には毎分2000ℓもの温泉水を噴き上げる間欠泉があり、その高さは約12mにもなります。周囲を緑豊かな丘が囲む、温泉と文化、自然美を同時に楽しめる癒しの街です。

クトナー・ホラは、プラハ東方に位置する、中世の銀鉱で栄えた町で、「クトナー・ホラの聖バルバラ教会のある歴史地区とセドレツの聖母マリア大聖堂」として世界遺産に登録されています。町の象徴は、鉱夫の守護聖人に捧げられた華麗なゴシック様式の「聖バルバラ教会」で、その繊細な外観と天井装飾やステンドグラスは必見。約4万人もの人骨が保管され、人骨で装飾された「セドレツ納骨堂（骨教会）」や、かつての王立造幣局「イタリアン・コート」など独特の見どころがある町です。

ブラチスラバ城は、スロバキアの首都を象徴する丘上の城で、白い長方形の城郭と四隅の角塔が特徴です。塔に上るとドナウ川や市街地を見渡すことができます。起源は古代にまでさかのぼり、中世にはハンガリー王国の政治の中心地として栄え、王冠保管所や王妃の居城にもなりました。現在、城の一部はスロバキア国立博物館となっており、歴史や芸術の展示が楽しめます。城壁に囲まれた庭園も美しく、ブラチスラバ観光のハイライトとして多くの観光客が訪れます。

ブラチスラバ旧市街は、スロバキアの首都ブラチスラバの歴史と文化が凝縮されたエリアで、ハンガリー王国時代には商業と政治の中心として発展しました。旧市街の入り口でもある、14世紀に建てられた唯一現存する城門「ミハエル門」や、戴冠式が行われたゴシック様式の「聖マルティン大聖堂」、ゴシックからバロックなど様々な様式が融合した「旧市庁舎」など見どころが集まっています。旧市街の中心であるフラヴネー広場には、カフェやレストランが並び、冬にはクリスマスマーケットも開催されます。

ミハエル門は、ブラチスラバ旧市街に唯一残る中世城門で、街のランドマークの一つです。塔は14世紀にゴシック様式で築かれましたが、16世紀にルネサンス様式に、18世紀にバロック様式へ改築され、現在の形の塔になりました。高さ51mの白い塔の頂には聖ミハエル像が立ち、訪れる人を迎えます。内部は武器博物館となっており、中世の鎧や武具が展示されています。最上階の展望台からは旧市街の美しい街並みを一望できます。周辺にはレストランなども多く、街の散策にぴったりなスポットです。

聖マルティン大聖堂は、ブラチスラバ旧市街の西端に位置するゴシック様式の大聖堂で、14世紀初頭に建てられました。ブラチスラバで最も古く、ハンガリー王国時代の戴冠式が行われた歴史的聖堂として知られ、1563～1830年の間に19回ものハンガリー国王・女王の戴冠式がここで挙行されました。高さ85mの塔の頂には、金色の王冠のレプリカが輝き、戴冠式の歴史を象徴しています。聖堂内では壮麗な祭壇やステンドグラス、パイプオルガンなども見学でき、王室の墓がある地下室も公開されています。

聖アルジュベタ教会はブラチスラバ旧市街から程近い場所に建つ、コバルトブルーに彩られた小さな教会です。その美しさから青の教会（ブルーチャーチ）とも呼ばれています。教会は20世紀初頭に建てられ、外観だけでなく内部の壁や椅子なども青色に装飾され、メルヘンチック雰囲気が訪れる人々を魅了します。