ヴァレッタ旧市街(イメージ)
イタリア半島の南に位置するマルタ共和国は、マルタ島・ゴゾ島・コミノ島の3つで構成される島国です。古代遺跡やマルタ騎士団が築いた要塞、マルタストーンの建物が並ぶはちみつ色の町並みなど、歴史に包まれた独自の文化が凝縮されています。ヨーロッパでは数少ない英語圏の国で、物価は日本とほぼ同程度。四季があるものの、冬も比較的温暖で過ごしやすい気候です。そこで今回は、様々な魅力に溢れたマルタ共和国おすすめスポットをご紹介します。
No.01 ヴァレッタ地区
ヴァレッタ地区(イメージ)
ヴァレッタ地区は、地中海の真ん中に浮かぶマルタ共和国の首都。1565年、オスマントルコの大軍に攻められたグレートシージという大包囲戦の経験から、難攻不落の要塞都市になるよう設計されました。都市が完成したのは1571年。街づくりに尽力した当時のマルタ騎士団長ジャン・パリゾ・ド・ラ・ヴァレットの名がつけられました。現在は町全体が世界遺産に登録されており、石灰岩でできたバロック建築がそのままの姿で残っています。中世の趣を残す街並みに史跡やおしゃれなカフェやショップも点在しており、散策するにも楽しい街です。
No.02 アッパーバラッカガーデン
アッパー バラッカ ガーデン(イメージ)
アッパーバラッカガーデンは、ヴァレッタ地区の高台に位置する公園です。元々は騎士団が利用していたプライベートガーデンでしたが、1824年より一般開放されるようになりました。展望デッキが設けられており、グランドハーバーや対岸のスリーシティーズを一望します。名物は、時報として発射される大砲です。毎日、正午と16時に空砲が放たれるので必見です。テラスにはベンチが並べられ、絶景を眺めながらゆったりとしたひとときを過ごせます。
No.03 聖ヨハネ大聖堂
聖ヨハネ大聖堂(イメージ)
ヴァレッタに位置する聖ヨハネ大聖堂は、マルタ騎士団の礼拝堂です。1577年、キリストの洗礼者聖ヨハネをたたえるために建立されました。聖堂内は壁や柱が金の装飾で埋め尽くされ、バロック芸術の輝くきらびやかな空間。円形の天井とアーチにびっしりと描かれた絵画も圧巻です。これらは騎士であり画家でもあったマッティア・プレティの作品で、聖ヨハネの生涯を描いています。床一面は大理石でできた高名な騎士たちの墓石が敷き詰められています。また、主聖堂に併設した美術館では、バロック期を代表するイタリア人画家カラヴァッジョの作品を見られます。代表作「聖ヨハネの斬首」や「聖ヒエロニムス」は必見です。
No.04 マルサシュロック
マルサシュロック(イメージ)
マルタ島最大の漁村、マルサシュロックはルッツというカラフルな漁船が停泊する、美しい光景が印象的。ルッツの船首には目が描かれています。これは「オシリスの目」と呼ばれ悪天候や不漁などから漁師たちを守る、魔除けの意味があるといわれています。毎週日曜日の午前中には、マルタ島近郊で採れた魚や野菜をはじめ、香辛料、お土産物などの露店が並ぶマーケットが開催され、多くの人で賑わいます。海沿いにはレストランが並んでいるので、海を眺めながら新鮮な魚介類を使った料理を堪能するのも楽しいでしょう。
No.05 騎士団長の宮殿
騎士団長の宮殿(イメージ)
騎士団長の宮殿は、マルタ騎士団がバレッタに建設した最初の建造物で、歴代団長が公邸として利用してきた場所です。現在は、大統領府としての役割を持ち、一部を博物館として公開しています。館内には騎士団が実際に使用していた甲冑が展示され、大砲や武器が並ぶ兵器庫も見学できます。執務室ではタペストリーやシャンデリアなどの豪華なインテリアや芸術品が必見です。ホールではオスマン帝国によるマルタ大包囲戦を描いた絵画が飾られ、マルタ騎士団の栄光を物語っています。
No.06 ハジャーイム神殿
ハジャーイム神殿(イメージ)
紀元前3600年、エジプトのピラミッドが造られるよりも前の時代に建てられた巨石神殿です。青銅や鉄器を持たなかった人々が、どのような意味を込めて作られたのか、未だに解明されていません。機械のない時代に巨大な石を直線的に積み上げて作り上げたとは驚きです。生贄をささげるテーブルであったともいわれる台もあります。この神殿から、5体の頭部のない豊満な女性の像と、らせん模様の祭壇も共に発掘されており、実物はヴァレッタの考古学博物館で見ることができます。
No.07 ブルーグロット
ブルーグロット(イメージ)
ブルーグロットは、別名「青の洞門」と呼ばれる海辺の洞窟です。波が石灰岩の岩壁を侵食して、巨大なアーチやいくつもの洞窟を作りだしました。船が出航しているときには、小船に乗って間近で見るのがおすすめ。海水が光を受けて、エメラルドグリーンやコバルトブルーに輝く、美しい青の世界を満喫できます。岩壁に張り付いた天然の珊瑚なども見ることができます。また、道路沿いの展望台から自然が生み出した造形美を楽しんでもよいでしょう。
No.08 ゴゾ島
ゴゾ島(イメージ)
緑豊かで牧歌的な風景が広がるゴゾ島は、のんびりとした雰囲気が漂います。古い教会や古代の巨石神殿群といった史跡が点在しており、歴史ロマンを感じる島です。マルタ島北端にあるチェルケウアからフェリーで約25分、ヴァレッタ地区からは高速フェリーに乗って約45分でアクセスできるため、マルタ島に滞在しながら日帰り観光で訪れることができます。
No.09 ヴィクトリア
ヴィクトリア(イメージ)
ゴゾ島の中心地ヴィクトリアは、1887年に、イギリス政府がヴィクトリア女王の即位50周年記念にヴィクトリアと名付けられたのが地名の由来です。北部の高台にはチタデルという城塞がそびえています。海賊が襲ってきた際の避難場所や他国軍から防衛する場所として利用されてきた歴史があり、その眺望の良さからゴゾ島を一望する絶景ポイントのひとつとして観光客に人気です。ヴィクトリアの大通りにはレストランやショップが並び、おみやげ選びや食事を楽しむことができます。
No.10 ゴゾ大聖堂
ゴゾ大聖堂(イメージ)
ゴゾ大聖堂は、城壁に囲まれたチタデル要塞の敷地内に位置しています。外観は質実剛健な造りですが、内部は赤と金で装飾したきらびやかな空間になっています。特に注目したいポイントは天井です。建設当時、天井にはドームを設ける予定だったものの、資金不足で実現できなかったそうです。苦肉の策としてだまし絵を施し、ドーム型に見えるように工夫されています。360の教会があるといわれるマルタ共和国の中でも、このようなだまし絵はゴゾ大聖堂のみでしか見られません。
No.11 ジュガンディーヤ神殿
ジュガンティーヤ神殿(イメージ)
ジュガンディーヤ神殿は、紀元前3600年頃にできた巨石建造物です。ジュガンティーヤとはマルタ語で巨人を意味し、地元では巨人が造ったと伝えられてきました。機械のない時代に、全長約6m、重さ約20tもの石を積み上げた建築技術には驚かされます。外壁は貝やサンゴを含んだ石灰石で覆われ、ごつごつとした見た目になっています。
No.12 タピーヌ教会
タピーヌ教会(イメージ)
タピーヌ教会は、ゴゾ島の田園地帯にぽつんと佇む教会です。1833年に教会で農婦が聖母の声を聞き、その後、村の人々の病気が治ったことから「奇跡の教会」と呼ばれるようになりました。元々は地元の信者が集まる教会でしたが、多くの人々が訪れるバワースポットとなり、ヨハネ・パウロ2世がゴゾ島を訪問した際、タピーヌ教会の広場にてミサを行ったことでも知られています。
No.13 ドウェイラ湾・ブルーホール
ドウェイラ湾・ブルーホール(イメージ)
ゴゾ島の西の端に位置するドウェイラ湾には、波と風の侵食によりできた天然のプール、ブルーホールがあります。海の透明度が高く、スキューバダイビングやシュノーケリングの人気スポットとして有名。壁に沿って潜るとガーデンと呼ばれる穴があり、光が多く差し込むため、美しい地形が楽しめます。水深はかなり深いため、水遊びをする場合は足元に気を付けて。崖の上から眺めると青い海とはちみつ色の石灰岩とのコントラストが、美しい景観を織りなしています。
No.14 コミノ島
コミノ島(イメージ)
コミノ島はマルタ島とゴゾ島に挟まれた、人気のビーチリゾートです。特に北西部にあるブルーラグーンは、夏は欧米からの観光客でにぎわいます。最大の魅力は、地中海トップクラスと称される海の透明度。天候によっては船の影まで海底にくっきりと映り、まるで船が空中を浮かんでいるように見えることも。海をのんびりと眺めるもよし、海水浴やダイビング、シュノーケリングを楽しんでもよいでしょう。
No.15 イムディーナ
イムディーナ(イメージ)
イムディーナは、ヴァレッタが築かれる前に首都だった街です。徒歩20分ほどで一周できるくらいの広さの城壁に囲まれ、中世の趣を色濃く残しています。石畳の路地に入ると、時が止まったかのような静けさに包まれ、静寂の街と呼ばれるのも頷けます。イムディーナに通じるメインゲートは、1724年に当時の騎士団長であったマノエル・ド・ヴィレーナが建設し、ヴェレーナ家の紋章であるライオンを施しています。街の中心には聖パウロ大聖堂が佇み、15世紀後半に建築された屋敷のパラッツォ・ファルゾーンや聖パウロのカタコンベなどの悠久の歴史を感じる見どころが豊富です。
No.16 聖パウロ大聖堂
聖パウロ大聖堂(イメージ)
古都イムディーナの中心にある聖パウロ大聖堂は、マルタ最古のキリスト教聖堂として知られています。4世紀に創建しましたがイスラム教の支配下にあった9世紀には聖堂が破壊され、ノルマン人支配下の13世紀に再建されました。1693年の地震で被害を受け、1702年に建築家ロレンツォ・カファによりバロック様式の聖堂が建てられました。内部には「聖パウロの難破」など、マティア・プレッティの美しいフレスコ画が飾られ、重厚な歴史と芸術を感じられる空間となっています。イムディーナの街並みとともに、その壮麗な佇まいは訪れる人々を魅了し続けています。
No.17 カタコンベ/聖パウロのカタコンベ(地下墓地)
聖パウロのカタコンベ(イメージ)
聖パウロのカタコンベは、マルタ島のラバトという街に広がる大規模な地下墓地で、初期キリスト教徒の埋葬地として知られています。約2万㎡以上の広さに、およそ1000を超える墓所を有しており、地下に張り巡らされた通路はまるで迷路のよう。中心には「アガペー・テーブル」と呼ばれる岩のテーブルがあり、死者と最後の食事を共にする儀式に使われたと伝えられています。歴史と神秘が交差するこの場所は、静かに時を語りかけてきます。
No.18 ハル・サフリエニ
ハル・サフリエニ(イメージ)
ハル・サフリエニ地下墳墓は、紀元前3600年頃に造られた地下神殿です。自然の洞窟をもとに造られたといわれ、三層構造の地下空間には、38の石室が広がります。この遺跡からは約7000体もの人骨や土器、装飾品などが発見されました。内部の「神託の部屋」には赤い色で彩色した壁画が残されているのが特徴で、音が反響する特性から儀式が行われていたと考えられています。また、「眠れる貴婦人」と呼ばれる小像が出土したことで広く知られるようになりました。
No.19 モスタ
モスタ(イメージ)
モスタはマルタ島のほぼ中心に位置する街。ここでぜひ訪れていただきたいのは、モスタドームという教区教会です。建てられたのは1860年。高さ約52m、外側の直径が約57mもの大きさのロタンダドームが特徴で、世界で3番目に大きいといわれています。第二次世界大戦中には、この教会に200kgの爆弾がドームを突き破って落ちてきました。幸いなことに不発弾であったため、中にいた300名のミサの参加者は、誰一人けがをすることなく奇跡的に助かりました。このエピソードから奇跡の教会とも呼ばれています。教会内には落下した爆弾のレプリカと当時の写真を展示しています。
No.20 スリーシティーズ
スリーシティーズ(イメージ)
スリーシティーズは、ヴィットリオーザ、セングレアとコスピークワの3つの町の総称です。ヴィットリオーザの路地裏コラッキオはマルタストーンで作られた、はちみつ色の建物が並び、映画のワンシーンのような雰囲気を味わえます。このスリーシティーズのヴィットリオーザとセングレアは猫スポットとしても有名。マルタは猫の楽園として知られ、のびのびと暮らす可愛い猫たちに出会うことができます。
No.21 セントジュリアン
セントジュリアン
セント・ジュリアンズは、マルタ島を代表する繁華街。おしゃれなレストランやカフェをはじめ、ショッピングセンターもあり、ショッピングや食事を満喫できます。海を楽しみたいときには、砂浜が広がるバルータベイや、ルッツ(漁船)が浮かぶ漁港のスピノラベイがおすすめ。そのほか、セントジョージズベイから眺める朝日や夕陽は絶景ともいわれています。
No.22 ポパイヴィレッジ
ポパイヴィレッジ(イメージ)
ポパイヴィレッジは、人気アニメの実写版映画の撮影が行われた場所です。三角屋根の可愛らしい家が並び、消防署や郵便局などの撮影セットもそのまま残されています。映画体験ができるアトラクションもあり、来場者が映画の登場人物になって撮影します。ポパイヴィレッジはアンカーベイに面しているので目の前には青い海が広がり、丘の上は絶景ポイント。マルタの海にしては珍しく、魚が豊富に泳いでいるため、シュノーケリングを楽しむ人に人気です。
No.23 スリーマ
スリーマ(イメージ)
スリーマは、ヴァレッタの対岸に位置するエリアです。ヴァレッタからフェリーで約10分とアクセスも便利。海沿いにはホテルやレストランが並ぶおしゃれな港町で、夜はライトアップされたヴァレッタの景色も楽しめます。リーズナブルな宿泊施設やレストランが点在しています。人気ブランド店が充実しているのでショッピングを楽しみたいときにもおすすめです。
No.24 ハーバークルーズ
ハーバークルーズ(イメージ)
マルタは青い海とはちみつ色の建物が美しい島国。クルーズに乗船することで、歴史的な要塞や賑やかな漁港などマルタらしい絶景を水上から楽しむことができます。夜になると中世の街並みが美しくライトアップされ、神秘的な風景をご覧いただけます。
No.25 英連邦海軍墓地
英連邦海軍墓地(イメージ)
カルカーラにはずれに位置する英連邦海軍墓地には、「大日本帝国第二特務艦隊戦死者の碑」と記した慰霊碑が立っています。第一次世界大戦時、英国の統治下にあったマルタ島は連合国海軍の基地でしたが、ドイツ軍の潜水艦による攻撃を受け、海上封鎖されました。英国と同盟国だった日本は巡洋艦「明石」や8隻の第二特務艦隊を派遣し、英国艦隊を援護。慰霊碑には、戦病死者12名を加えた71名がまつられており、日本人も慰霊に訪れます。
マルタ共和国おすすめ観光スポット25選はいかがでしたか?町全体が世界遺産のヴァレッタ地区や、のんびりとした雰囲気が漂うゴゾ島、絵画のような美しい海に囲まれたコミノ島など、歴史探訪もリゾートも楽しめるのが魅力です。豊かな文化と自然が融合した、マルタ共和国に訪れてみませんか。
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