上高地(イメージ)
雄大な山々と清らかな梓川に囲まれた上高地。気軽に散策を楽しめる山岳リゾートのひとつで、登山をしなくても美しい自然を楽しめることから、近年人気を博しています。今回は「一般社団法人松本市アルプス山岳郷」に所属する多田さんに案内していただきながら、夏の上高地を訪れました。この記事では、東京・名古屋方面からのアクセスやバスの予約方法、訪れたいスポット、必要な滞在時間、服装、現地で役立つ情報などをまとめてご紹介します。初めて上高地を個人で訪れる方の旅行計画の参考になれば幸いです。
多田 空太さん(イメージ)
【今回、上高地を案内してくれた人】
多田 空太さん
一般社団法人松本市アルプス山岳郷 所属
上高地をはじめとする松本市西部エリアのコンテンツ造成や、旅行者の受け入れ体制づくりに携わる。今回の取材では、夏の上高地を一緒に歩きながら、アクセスや見どころ、現地での注意点などを教えていただきました。
※本記事は日本を訪問する予定の旅行者向けに制作されたものですが、日本国内の方でもお読みいただけます。
上高地ってどんなところ?
初めて行く前に知っておきたい基本情報
標高約1,500m、山々に囲まれた日本有数の山岳景勝地
上高地(イメージ)
長野県松本市に位置する上高地は、中部山岳国立公園にある標高約1,500mの山岳景勝地です。国の特別名勝・特別天然記念物にも指定され、穂高連峰をはじめとする山々と、澄んだ水が流れる梓川など、美しい自然が広がっています。気軽にハイキングができる散策路も整備されており、登山をしなくても、歩きながら山や川、森、湿原などさまざまな自然を楽しめるのが魅力で、開山期は多くの人でにぎわいます。また、避暑地としても人気で、取材で訪れた7月末は平地が34.5℃と猛暑日に迫る勢いなのに対し、上高地は23.5℃と過ごしやすい気候でした。
上高地はどこにある?東京・名古屋からの位置関係
長野県マップ(イメージ)
上高地があるのは、長野県松本市の西部。東京方面からは松本・新島々を経由するルート、名古屋方面からは松本を経由するルートのほか、高山・平湯温泉を経由するルートがあります。
上高地は一年中行ける?開山期間と冬季閉鎖
上高地は一年中訪れることができる場所ではありません。例年4月17日から公共交通機関の乗り入れや一部施設の営業が順次始まり、4月27日の開山祭から11月15日の閉山式までが本格的な観光シーズンです。11月16日から翌年4月中旬頃までは閉山期となり、上高地へ向かう交通機関は運行せず多くの施設も休業するため、訪れる前には、その年のシーズンを公式ホームページなどで確認しておくことが重要です。
【事前チェック!】上高地を訪れる前に知っておきたい5つのポイントとルール
上高地は一般的な観光地とはアクセス方法や環境が少し異なります。詳しくはこのあとに紹介しますが、初めて個人旅行で訪れるなら、まず次の5つを覚えておきましょう。
1.上高地にはレンタカーでは入れない
レンタカーを含むマイカーは直接乗り入れできず、沢渡またはあかんだな駐車場などでバス・タクシーへの乗り換えが必要です。
2.バスは区間によって予約方法が異なる
松本・新島々から上高地間は予約優先制。一方、予約不要の区間もあります。
3.帰りのバスも事前に確認しておくことが重要
予約優先制の場合は、希望する時間のバスを事前予約しておきましょう。予約なしの場合、長時間並んだり、希望の時間に乗れなかったりする場合があります。
4.夏でも羽織れる服を用意する
標高約1,500mの上高地は、夏でも涼しく、朝晩や天候によっては肌寒く感じます。体温調整をしやすい服装を準備しましょう。
5.滞在時間に合わせて散策ルートを決める
河童橋周辺エリアだけを楽しむのか、大正池や明神などハイキングを楽しむのかによって必要な時間は変わってきます。帰りの交通手段から逆算して計画するのがおすすめです。
(イメージ)
上高地の美しい自然を守る7つのルール
1.植物や昆虫などの生きものを採らない
2.野生動物にエサを与えない
3.ゴミはすべて持ち帰る
4.ペットや外来生物を持ち込まない
5.歩道を外れて歩かない
6.自転車を山岳地帯へ乗り入れない
7.ドローン(無人航空機)を飛ばさない
上高地への行き方|東京・名古屋・岐阜方面からのルート比較
上高地バスターミナル(イメージ)
上高地を訪れる際、特に事前準備が必要なのがアクセス方法です。
多田さんは「上高地はマイカー規制がかかっているため、しかるべき場所で乗り換えが必要になります。バス乗り場や降り場で迷われる方も多く、事前予約制度のある路線もあるため、帰りは大正池で待っていても満席で乗り切れないこともあります。ツアーなら観光バスで直接乗り入れられるので、アクセスを気にしなくていいのは大変便利です。」と話します。
ここでは、東京・名古屋・高山方面からの代表的な行き方を紹介します。乗り換えのタイミングや乗車列待ちにより想定以上の時間がかかる場合があるため、余裕をもって計画しましょう。
東京方面から|松本・新島々経由
東京方面からの代表的なルートは、
新宿 → 松本 → 新島々 → 上高地 です。
新宿駅からJR特急「あずさ」で松本駅へ向かい、アルピコ交通上高地線に乗り換えて新島々駅へ。さらにアルピコ交通が運営する路線バスで上高地バスターミナルへ向かいます。所要時間の目安は、新宿~松本が約2時間40分、松本~新島々が約30分、新島々~上高地が約1時間です。
2026年度の松本・新島々~上高地線は予約優先制。予約なしの場合は空席があれば先着順で乗車できますが、長時間並ぶ可能性もあるため、利用したい便が決まっている場合は事前に予約しておくと安心です。また、多田さん曰く新島々駅近くのセブンイレブンが上高地へ向かう途中の最後のコンビニ。飲み物や軽食の購入、ATMの利用などはここまでに済ませておくと安心です。
名古屋方面から|松本経由・高山経由の2ルート
名古屋方面から上高地へ向かう場合は、松本を経由するルートと、高山・平湯温泉を経由するルートがあります。松本経由の場合は、名古屋駅からJR特急「しなの」に約2時間乗車し松本駅に向かい、アルピコ交通上高地線で新島々駅へ。新島々駅から路線バスに乗り換えて上高地へ向かいます。
名古屋から高山を経由する場合は
名古屋 → 高山 → 平湯温泉 → 上高地
というルートになります。
名古屋駅からJR特急「ひだ」で高山駅へ向かい、高山濃飛バスセンターから「濃飛バス」が運営する路線バスで平湯温泉へ。平湯温泉で上高地行きのシャトルバスに乗り換えます。所要時間の目安は、名古屋~高山が約2時間40分、高山~平湯温泉が約1時間、平湯温泉~上高地が約25分です。高山~平湯温泉、あかんだな駐車場・平湯温泉~上高地のバスは、2026年度は予約不要で案内されており、先着順となります。
高山周辺を旅程に組み込むか、松本を経由するかによってルートを選びましょう。
岐阜方面から|高山・平湯温泉経由
すでに白川郷や飛騨高山を観光し、高山周辺に滞在している場合は、高山濃飛バスセンターから「濃飛バス」で平湯温泉へ向かい、上高地行きのバスに乗り換えるルートが便利です。高山濃飛バスセンターから平湯温泉までは約1時間、平湯温泉から上高地までは約25分。2026年度はいずれも予約不要です。
レンタカーの場合|上高地はマイカー規制あり
上高地は自然環境を守るため、年間を通してマイカー規制が行われています。レンタカーや自動二輪車も上高地へ直接乗り入れることはできません。松本方面からは沢渡(さわんど)にある駐車場、高山方面からは平湯の「あかんだな駐車場」に車を停め、シャトルバスまたはタクシーで上高地へ向かいます。バスは予約不要で、先着順です。混雑時にはシャトルバスだけでなくタクシーにも待機列ができることがあるため、時間に余裕を持って向かいましょう。
また、沢渡地区には複数の駐車場があり、合計約2,000台を収容できますが、日本の5月連休やお盆、紅葉シーズンの土日など、繁忙期には朝から駐車場が満車になることがあるそうです。レンタカーで訪れる際は道路状況、駐車場の空き状況、バス待ち列の状況なども踏まえて計画を立てることが大切です。
帰りのバスは予約と乗車場所を確認
バスのりば(イメージ)
帰りのバスは、上高地バスターミナルだけでなく、帝国ホテル前や大正池からも乗車できます。しかし、予約不要のバスや、予約をせずに利用する場合は、始発の上高地バスターミナルから多くの人が乗るため、帝国ホテル前や大正池からは乗車できないことも。取材時も行きのバス車内では「帰りは河童橋近くの上高地バスターミナルから乗車するように」と車内アナウンスがありました。特に繁忙期は混雑する場合があるため、時間に余裕を持って利用しましょう。
また、2026年9月1日から新島々行バスのルールが変更になりました。上高地~さわんど大橋間のバス停は乗車のみで降車ができません。降車できるのは「安曇支所前」と「新島々駅」のみ。レンタカーで沢渡付近の駐車場から来た人は、帰りに新島々行のバスに乗ると降車できないため注意が必要です。
●上高地発→新島々行(上高地バスターミナル4番のりば)
新島々行きは予約優先制です。予約をしないと座席に空きのあるバスが来るまで待つことになるため、事前に予約しておくと安心です。松本に行く場合は新島々駅より電車での移動が必要です。
●上高地発→さわんど大橋行(上高地バスターミナル7番のりば)
予約不要のシャトルバスが出ています。先着順のため、上高地バスターミナルからの乗車がおすすめです。途中のバス停からでは乗れないことも多いそうです。
●上高地発→平湯温泉・あかんだな駐車場(上高地バスターミナル5番のりば)
平湯温泉・あかんだな駐車場方面のバスは予約不要です。上高地バスターミナルから平湯温泉を経由し、あかんだな駐車場へ向かいます。
上高地で訪れたいおすすめスポット
上高地には、河童橋や大正池などの定番から、少し歩いた先にある湿原や明神池まで、さまざまな見どころがあります。ここでは初めて訪れる方におすすめしたいスポットに加え、今回の取材で一般社団法人松本市アルプス山岳郷の多田さんに教えてもらった場所も紹介します。
河童橋|梓川と穂高連峰を望む上高地のシンボル
河童橋(イメージ)
上高地を代表する景色といえば「河童橋」。上高地バスターミナルから徒歩約5分の場所にある木製の吊り橋で、橋の上からは清らかな梓川と穂高連峰、岳沢を一望できます。振り返れば焼岳も望める絶好のビューポイントで、お土産屋や飲食店が多く集まっているエリアでもあります。多田さんによると、おすすめの時間帯は朝8~10時頃。シーズン中は河童橋周辺が多くの観光客でにぎわうため、きれいな景色をゆっくり撮影したい方は早めの時間に訪れてみてください。
大正池|水面に山々が映る上高地の代表的な景観
大正池(イメージ)
大正池は、1915年の焼岳の噴火によって流れ出た溶岩や泥流が梓川をせき止めてできた池です。穏やかな日には、水面に穂高連峰や焼岳が映り込む美しい景色を楽しめます。大正池バス停から河童橋方面へ散策するルートもあるため、上高地らしい自然の中を歩きたい方のスタート地点にもおすすめです。
田代池・田代湿原|湿原と山々が広がる開放的な風景
大正池から河童橋方面へ歩く途中にある「田代池・田代湿原」。六百山や霞沢岳の伏流水が湧き水となって流れ込み、周囲には湿原が広がっています。樹林の中を歩いていくと視界が開け、湿原と山々がつくる広々とした風景に出会えるのが魅力。大正池からは徒歩約20分なので、大正池から河童橋間を歩くならあわせて立ち寄りたいスポットです。
岳沢湿原|原生林の中で出会う澄んだ水と六百山
岳沢湿原(イメージ)
河童橋から梓川右岸を明神方面へ15~20分ほど歩くと、原生林に囲まれた「岳沢湿原」が現れます。木道の周囲には澄んだ湧水が広がり、立ち枯れの木々や六百山がつくる静かな景色を楽しめます。河童橋から比較的近いため、明神まで歩く時間はないけれど、もう少し自然の中へ入ってみたいという方にもおすすめです。
明神池・穂髙神社奥宮
明神岳を望む明神池(イメージ)
河童橋から約1時間歩いた明神エリアにあるのが、穂髙神社奥宮と明神池です。明神池は明神岳のふもとに位置し、伏流水や湧水をたたえた静かな池。周囲を森に囲まれ、河童橋周辺とはまた違った神秘的な雰囲気を感じられます。例年10月8日には「穂髙神社奥宮例大祭(明神池お船祭り)」が行われ、平安装束をまとった神官が御船で池を周遊する御船神事が執り行われます。
※明神池は穂髙神社奥宮の境内にあり、拝観には別途料金が必要です(500円・現金のみ)
囲炉裏(イメージ)
嘉門次小屋で名物の岩魚を味わおう
明神池の近くにある「嘉門次小屋」は、多田さんおすすめのスポット。囲炉裏の薪火でじっくり焼き上げる岩魚の塩焼きが名物です。囲炉裏で岩魚を焼く様子も見学できますが、夏など暑い日は室内に入れず、外からの見学となる場合があります。
地元観光団体のスタッフに教えてもらった注目スポット
●小梨平付近の清水川
梓川の支流で、透き通った水と水中の水草が美しい場所。多田さんおすすめの撮影スポットです。水中の水草(梅花藻)に可憐な白い花が咲く様子を見られることも。
●上高地温泉ホテルの足湯
上高地には、天然温泉を楽しめるホテルが2施設だけあります。そのひとつ「上高地温泉ホテル」には無料の足湯があり、散策途中のひと休みに立ち寄りたいスポットです。
●霞沢岳・六百山の展望
上高地温泉ホテル前からは、梓川越しに眺める霞沢岳・六百山の景色も見逃せないポイント。穂高連峰とはまた違った山々の表情にも注目してみてください。
夏の上高地では花にも注目!
夏の上高地を歩いていると、各所でさまざまな花に出会えます。今回の取材でも、歩きながら夏の花をいくつも見ることができました。目的地だけを目指すのではなく、ときどき足元にも目を向けてみると、夏ならではの上高地の表情を楽しめます。
※植物や昆虫などの採取は禁止されています
上高地では何時間必要?
滞在時間別の楽しみ方
上高地で必要な滞在時間は、「どこまで歩きたいか」によって大きく変わります。初めて訪れる場合は、まず滞在できる時間を確認してから、無理のない散策ルートを選びましょう。
滞在2~3時間の場合|定番スポットを中心に楽しむ
滞在時間が2~3時間程度なら、河童橋周辺を中心に楽しむほか、大正池でバスを降りて田代池・田代湿原などを経由し、河童橋方面へ歩くルートがおすすめです。短時間でも梓川や周囲の山々、池、湿原など上高地らしい自然を楽しめます。
滞在3~4時間の場合|明神エリアまで散策
3~4時間程度確保できるなら、河童橋から明神方面へ足を延ばしてみましょう。河童橋から明神間は片道約1時間。岳沢湿原や明神池、穂髙神社奥宮などを巡り、嘉門次小屋で食事を楽しむこともできます。歩く時間だけでなく、明神池の拝観や食事、休憩時間も考えてスケジュールを組むのがポイントです。
1泊2日|朝夕の静かな上高地を楽しむ
時間を気にせず散策したいなら、上高地に宿泊するのもおすすめです。宿泊の大きな魅力は、多くの日帰り観光客が帰った後から翌日の朝までの、静かな上高地を楽しめること。早朝の河童橋を歩いたり、1日目と2日目に散策エリアを分けたりすれば、大正池から河童橋、明神方面までゆっくり楽しむ余裕も生まれます。食事やカフェ、足湯なども組み合わせながら、上高地で過ごす時間そのものを楽しみたい方には宿泊がおすすめです。
混雑を避けて上高地を楽しむコツ
河童橋(イメージ)
夏の上高地は多くの観光客でにぎわいます。特に土・日曜、祝日、お盆期間(8月13日前後)は混雑しやすいため、いつも以上に時間に余裕を持って行動しましょう。
●河童橋より先まで歩いてみる
大正池~河童橋周辺は特に人が集まりやすく、河童橋から明神池、さらに徳沢方面へ進むと比較的混雑を避けやすいそうです。時間と体力に余裕があれば、少し先まで足を延ばしてみるのもおすすめです。
●早めの時間から散策する
河童橋の撮影は、多田さんおすすめの朝8~10時頃を目安に。宿泊すれば、日帰りの観光客が増える前の時間から散策を楽しめます。
●帰りの時間には余裕を持つ
帰りのバスも混雑することがあります。特に日帰りの場合は、散策時間だけではなく帰りのバスまで考えて行動しましょう。
訪日旅行者が知っておきたい上高地の実用情報
個人旅行で上高地を訪れるなら、現金や通信環境、大きな荷物をどうするかなども事前に確認しておきましょう。
●現地の支払い状況・ATM
上高地には銀行や銀行ATMがありません。クレジットカードを利用できる施設は多くありますが、一部では現金のみのところも。現金は事前に用意しておきましょう。
●JRパスは使える?
訪日旅行者向けの「JR EAST PASS」(5日間35,000円)は、新宿〜松本の特急あずさに利用できます。ただし新宿〜松本の往復運賃は13,460円のため、上高地だけを目的に購入すると割高です。
東北や新潟もあわせて周遊する旅程であれば検討する価値がありますが、上高地への往復だけなら通常のきっぷの方が安く済みます。
※2026年8月時点の情報です。詳しい金額などは公式HPをご覧ください。
●トイレ
上高地の公衆トイレはほとんどがチップ制のため、小銭を用意しておきましょう。協力金は環境保全に活用されています。
●Wi-Fi・通信環境
河童橋、大正池、田代池などでは各社の携帯電話が利用できますが、場所によってはつながりづらいところも。上高地や明神、徳沢、横尾などには「Matsumoto City Free Wi-Fi」が整備されています。
●大きな荷物
上高地バスターミナルには有料の手荷物預かり所があります。スーツケースなど大きな荷物がある場合は、預けてから身軽に散策するのがおすすめです。
●食事・カフェ・お土産も楽しめる
上高地にはホテルや山小屋、食堂、カフェ、売店などがあり、散策途中に食事や休憩を楽しめます。上高地バスターミナルの観光センターにも食堂や売店があるため、到着後や帰りのバスを待つ時間にも利用できます。
上高地では何を着る?服装と持ち物
標高約1,500mにある上高地は、夏でも天候や時間帯によって肌寒く感じることがあります。データでは7月の平均最高気温は23.0℃、平均最低気温は13.7℃(上高地ビジターセンター発表の2022年データより算出)。平地の夏と同じ感覚ではなく、気温の変化に対応できる服装を準備しておくことが大切です。
上高地の服装&持ち物
夏の日中はTシャツなどで過ごせる日もありますが、山の天気は変わりやすいため、夏でも長袖シャツやウィンドブレーカーなど、簡単に羽織れるものがあると安心です。散策路は木道で整備されている場所が多く、歩き慣れたスニーカーでも散策できます。ただし、木道や砂利道など未舗装の場所もあるため、長く歩く場合や雨の日は滑りにくいハイキングシューズやトレッキングシューズがおすすめです。
そのほか、「帽子」「サングラス」「雨具」「飲み物」「モバイルバッテリー」「現金・小銭」などもあるとよいでしょう。
上高地とあわせて訪れたい周辺エリア
せっかく上高地を個人旅行で訪れるなら、周辺の観光地と組み合わせて旅程を考えるのもおすすめです。
松本城(イメージ)
●松本市街
国宝・松本城を中心とした城下町の面影や北アルプスの山並みが広がる、上高地へ向かう長野県側の玄関口。蔵造りの建物が並ぶ中町通りなどの街歩きに加え、北アルプスの伏流水を生かした日本酒や信州ワイン、クラフトビールなど、地元のお酒を楽しめるのも魅力です。
三本滝(イメージ)
●乗鞍高原
乗鞍岳の麓、標高約1,500mに広がる自然豊かな高原。夏は涼しい気候の中で、三本滝や善五郎の滝などの滝巡りや高原散策、サイクリングを楽しめます。上高地とはまた違った、のびやかな高原の景色やアウトドアを楽しみたい方におすすめです。
飛騨高山(イメージ)
●飛騨高山・平湯温泉
飛騨高山では、江戸時代の面影を残す「古い町並み」や高山陣屋、地元の食材や民芸品が並ぶ朝市などを楽しめます。飛騨牛などのご当地グルメも魅力です。平湯温泉は奥飛騨温泉郷の中でも歴史ある温泉地で、温泉街のほか「日本の滝百選」に選ばれた平湯大滝などの自然も楽しめます。
個人旅行とツアー、どちらがおすすめ?
上高地は電車や路線バスを利用して個人で訪れることができますが、交通手段や予約に不安がある場合は旅行会社のツアーを利用する方法もあります。
個人旅行がおすすめの人
個人で旅行する魅力は、旅行全体を自分の好みに合わせて組み立てられること。上高地での滞在時間や散策ルートを自由に決められるほか、松本や飛騨高山など周辺の観光地と組み合わせた旅程もつくりやすいでしょう。一方、電車やバスの時刻、予約方法、帰りの交通手段などは自分で確認する必要があります。
ツアーがおすすめの人
交通手段の予約や乗り換えをできるだけシンプルにしたい方には、ツアーも選択肢のひとつです。上高地はマイカー規制が行われていますが、ツアー貸切の観光バスは規制条件のもとで上高地へ直接乗り入れることができます。観光バスで直接アクセスするツアーなら、途中で路線バスへ乗り換える負担を減らせます。バス車内に大きな荷物を置いて身軽に散策できるのも利点です。また、日本三名泉の下呂温泉に宿泊し、白川郷と上高地を楽しめる1泊2日のツアーなど周辺観光を組み合わせたツアーもあります。
上高地旅行のよくある質問(FAQ)
Q. 上高地観光には何時間必要?
河童橋周辺だけなら短時間でも楽しめますが、大正池や明神方面まで十分に散策するなら3~4時間はあると安心です。歩きたい場所と帰りの交通時間から滞在時間を決めましょう。
Q.雨の日でも散策できる?
散策はできますが、木道や未舗装の道は濡れると歩きにくくなります。雨の日は防水性があり滑りにくい靴がおすすめ。長時間歩く場合はレインウェアも準備しましょう。
Q. 熊はいる?
上高地はツキノワグマの生息地です。野生動物が暮らす場所であることを忘れず、現地の目撃情報や注意情報を確認して行動しましょう。上高地バスターミナルには熊の生態や注意点について、各言語での案内が置いてあります。
Q. スーツケースなど大きな荷物は預けられる?
上高地バスターミナルに有料の手荷物預かり所があります。ピーク時には手荷物預かり所の棚がいっぱいになることもあるため、宿泊場所や、旅行会社のツアーを利用してバス車内に置いておくのも手段のひとつです。
Q. 登山用の装備は必要?
河童橋や大正池、明神など一般的な散策エリアを歩く場合、本格的な登山装備は必要ありません。ただし、歩きやすい靴や雨具、気温の変化に対応できる服装は準備しましょう。槍ヶ岳や穂高岳などへ向かう登山は別で、十分な登山装備や計画が必要です。
まとめ|初めての上高地を楽しもう
上高地(イメージ)
雄大な山々や清らかな梓川、池や湿原、夏に咲く花など、歩くほどさまざまな自然に出会える上高地。東京・名古屋方面だけでなく、飛騨高山や平湯温泉からもアクセスでき、日本旅行の周遊ルートにも組み込みやすい場所です。個人旅行かツアーを使うかはご自身の予定や好みにあわせて、夏の上高地ならではの景色を楽しんでみてください。
多田 空太さん(イメージ)
【今回、上高地を案内してくれた人】
多田 空太さん
一般社団法人松本市アルプス山岳郷 所属
上高地をはじめ松本市西部エリアのコンテンツ造成と、地域のランドオペレーション体制の構築を担当。国内外の旅行者を現地で受け入れる立場から、上高地の交通事情や季節ごとの見どころに詳しい。
上高地のおすすめスポットは、明神池近くにある「嘉門次小屋」の囲炉裏で焼き上げる岩魚の塩焼き。
「上高地に来ると、日本の自然の美しさを一番感じてもらえると思います。空気が本当にきれいで、歩いているだけで気持ちがリセットされます。」
※本記事は2026年7月30日〜31日、多田さんの案内のもと現地取材を行い、制作しました。
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