鹿児島が誇る自然と歴史の観光スポット21選

鹿児島のシンボルといわれる桜島は、北岳・南岳の2つが合わさる複合活火山で、今も噴煙を上げる活火山です。南岳の麓にある有村溶岩展望所からは、大噴火で生まれた溶岩原と荒々しい山肌を観ることができます。全長約1キロメートルの遊歩道からは、山だけでなく、錦江湾も一望でき、天気が良ければ、開聞岳まで望むことができます。北岳中腹にある湯之平展望所は一般客が行ける最高地点で、眼下に広がる市街地と静かな湾との対比が印象的。夕方以降は、夕日、夜景もすばらしく、ゆっくり訪れたい場所です。

城山は、市街地の中心部に位置する標高約107mの小高い山で、国の文化財として、天然記念物及び史跡に指定されています。「城山展望台」からは、桜島や錦江湾や鹿児島市街地を一望でき、夜景が美しいことでも有名です。「城山自然遊歩道」を通れば、自然を観察しながら展望台までの約2kmを散策可能です。樹齢約400年のクスの大木や、シダ・サンゴジュなどの常緑広葉樹、亜熱帯性植物といった緑豊かな風景を楽しめます。城山は西南戦争の最後の激戦地だったため、史跡も多く存在。西郷隆盛が最後まで薩軍の指揮をとっていたとされる西郷洞窟や、敵陣に最後の抵抗を示した西郷終焉の地などを見学可能です。

「西郷隆盛銅像」は、没後50年祭記念で造られた高さ約8mの銅像です。渋谷「忠犬ハチ公」の製作者であり、鹿児島県出身の彫刻家でもある安藤照が製作しました。陸軍大将の制服を着て城山を背景に仁王立ちしている姿は、迫力満点です。道路を挟んで撮影スポットが設けられているので、愛犬のツンの像と一緒に記念写真を撮るのもよいでしょう。周辺には、鹿児島の歴史や文化を学べる施設も充実。鹿児島市立美術館、鹿児島県立博物館などがあります。

「鹿児島城（鶴丸城）」は、背後の山城（城山）と麓の居館から構成される居城です。1601年頃に島津家の当主であり初代藩主の島津家久が建設に着手しました。居館の正面中央には、2020年に復元された「御楼門」があります。高さ・幅は、共に約20ｍ。江戸時代は、藩の公式行事などのみ通行できましたが、現在は誰でも門を通行できます。日没になると季節に合わせて御楼門と石垣がライトアップされるため、昼間とはまた違った雰囲気を楽しめるでしょう。

「霧島温泉郷」は、標高約600mから850mに点在する温泉地です。「新湯・林田・硫黄谷・丸尾・栗川・湯之谷・殿湯・関平・野々湯」の9つの温泉の総称です。霧島温泉郷の中心にある「霧島温泉市場」では、観光案内所や特産品を扱う土産屋、食事処、足湯などが集結。特産品である霧島高原ロイヤルポーク、芋ようかんの加工品のほか、温泉たまごや蒸し野菜、温泉まんじゅうなどがあります。温泉郷の近辺には、森林セラピーロードや丸尾滝、布引滝、千畳敷、霧島最古といわれる岩風呂などの名所もあります。

「韓国岳」は、標高約1700mを誇る霧島火山の最高峰です。火口は直径約900m、深さ約300mに達します。山頂から韓国まで見渡せるほど高い山ということから、「韓国岳」と名付けられました。山腹はモミやツガ、アカマツなどの天然林、それより上部はヤシャブシやノリウツギ、ミヤマキリシマなどの低木に覆われています。火口壁では初夏ひかげつつじを鑑賞できるでしょう。近隣の「えびの高原」では、韓国岳の爆裂火口や白紫池、六観音御池、世界でも珍しい「ノカイドウ」などを見られます。

「曽木の滝公園」は、東洋のナイアガラとも呼ばれる曽木の滝があるスポットです。「曽木の滝」は滝幅約210m・高さ約12mであり、岩肌を削るように流れ落ちる水流と轟音を堪能できます。春には桜やつつじ、秋には紅葉や銀杏などの景色と一緒に鑑賞できるでしょう。一帯は自然公園となっており、季節のイベントも開催される点が魅力です。曽木の滝の近隣には、軽食が食べられる「ピクニックマルシェ」や、丼ものが食べられるフードコートなど飲食施設が充実。黒豚や地鶏、現地の新鮮な野菜を使った料理などを堪能できます。

海沿いに湧く指宿温泉は、やわらかな湯けむりに包まれた温泉地。名物の砂むし温泉は「砂むし会館 砂楽」で体験でき、温かい砂に身をゆだねると、身体の芯からじんわり汗が湧き出します。砂むしのあとは湯船でさっと汗を流し、海風を感じながらのんびり休憩。開聞岳や池田湖など周辺の景色も豊かで、温泉とドライブ観光を組み合わせて一日ゆったり楽しめます。

「開聞岳」は標高約924mの火山です。コニーデの上にトロイデをのせた、二重式火山になっています。円錐形の美しい姿から「薩摩富士」とも呼ばれています。周囲には山がないため、南薩のほとんどの地域から見ることが可能です。登山道は約4668mのらせん状で道幅が狭く、頂上付近は岩場や階段、はしごなどがあり険しい道のりですが、頂上から望む大パノラマは絶景です。霧島や桜島、池田湖、屋久島、三島など鹿児島の観光名所を一望できます。

薩摩半島南部に広がる池田湖は、周囲約15km・最大水深233mを誇る九州最大のカルデラ湖。湖畔からは「薩摩富士」開聞岳が端正な姿を見せ、静かな水面に山影が映ります。体長1.8mにもなる大うなぎが生息することでも知られ、神秘的な物語を感じさせる場所です。例年1月には一面の菜の花が湖畔を彩り、ジョギングや散策をしながら、一足早い春の光と湖風を楽しめます。

「長崎鼻」は、薩摩半島の最南端に突き出た岬です。天気のよい日は南の洋上に屋久島や竹島、硫黄島が見えるでしょう。岬にある薩摩長崎鼻灯台は、日本ロマンチスト協会が展開している「恋する灯台プロジェクト」において、「恋する灯台」に認定されました。ウミガメの産卵地であり、浦島太郎が竜宮へ旅だった岬との言い伝えがあることから「竜宮鼻」とも呼ばれています。乙姫様をお祀りしている「龍宮神社」もあり、「境内にある浦島太郎とカメの像を2周しカメを撫でたら願いが叶う」「貝殻を購入し、裏に名前・表に願いを書く」など、さまざまな願掛けができます。

「雄川の滝」は、南大隅町の根占地区を流れる雄川上流にある滝です。滝の落差は約46ｍ、幅約60ｍです。滝壺を上から眺められる「上流展望所」と、滝壺を眼前に眺められる遊歩道沿いの「雄川の滝展望所」の2か所から鑑賞できます。駐車場から滝壺までは約1200mの遊歩道が整備されており、途中で岩肌から染み出す湧き水を眺めたり清流のほとりで休憩できるスポットもあります。スケール感のある滝は、ドラマや映画などのロケ地に使用されています。

「佐多岬公園」は、本土最南端の岬にある公園です。天気が良ければ、佐多岬から種子島や屋久島、硫黄島などが望めます。南端の断崖には、歴史ある灯台の「佐多岬灯台」があります。佐多岬にある「御崎神社」は、縁結びの神様として人気です。公園入り口には、北緯31度線が通っていることを示すモニュメント「31°LINE SATA」が建っています。片道800mまで続く佐多岬遊歩道では、ブーゲンビリアやソテツ、ガジュマルなど、地域ならではの亜熱帯植物を鑑賞できるでしょう。

「垂水千本イチョウ」は、広大な敷地の園内に1200本以上のイチョウの木が植樹されているイチョウ園です。初代「鹿児島景観大賞」を受賞し、垂水市を代表する名所になっています。園主と奥様が荒れ果てた山を開墾し、40年以上の歳月をかけて作り上げました。例年11月下旬から12月上旬の見頃を迎えると一面が黄金色に染まり、「黄金の楽園」や「映画のワンシーン」などと表現されます。イベント期間中は夜のライトアップがあるため、幻想的な雰囲気を楽しめるでしょう。

「溝ノ口洞穴」は、霧島山系の湧き水が侵食し、数千年の長い年月をかけて作られたといわれる洞穴です。入り口の横幅は約14.6m、高さ約6.4m、全長約209.5m以上続いています。近年はパワースポットとして注目を集めており、 例年4月8日のお釈迦様の誕生日に近い日曜日に「溝ノ口岩穴祭り」が開催されています。火山国日本の地形発達を現す貴重な例であるため、曽於市初の国指定文化財に指定されました。洞窟内の天井に「吹き抜けパイプ」と呼ばれる、ガスや水蒸気が上方に抜けていった穴を観察できるでしょう。

大隅半島・佐多岬の南南西約60kmに浮かぶ屋久島は、島全体を山々が占める「海に立つ山岳島」。宮之浦岳をはじめとする高峰と多雨の気候が育んだ森が評価され、1993年に日本初の世界自然遺産の一つとして登録されました。島の約2割が遺産区域に指定され、渓流や滝、苔むす森など多彩な景観が凝縮しています。トレッキングやエコツアーに参加すれば、ガイドの案内で豊かな生態系を安全に体感できます。

屋久島の森深くにそびえる縄文杉は、幹回り16mを超える日本最大級の屋久杉。樹齢には諸説あるものの、数千年の時を刻んできたとされ、そのうねる幹は島の厳しい自然を物語ります。専用トレッキングコースは往復に長時間を要しますが、ガイド同行のツアーなら歩き方や装備のポイントも教えてもらえて安心。苔むす森や渓流を抜け、静かに立つ巨木を見上げる瞬間は、一生の記憶に残る体験になります。

白谷雲水峡は、標高600〜1,050mに広がる自然休養林で、屋久杉と照葉樹の森、清流が織りなす深い緑に包まれます。苔むす森と呼ばれる一帯では、倒木や岩を覆う苔が柔らかな絨毯のように広がり、静かな足音だけが響きます。上級者向けのコースを進むと、花崗岩の巨石「太鼓岩」に到達し、屋久島の山々と海まで見渡す大パノラマが待っています。体力に合わせてコースを選び、無理のない範囲で森の時間を楽しみましょう。

九州と沖縄の間に位置する奄美大島は、サンゴ礁の海と亜熱帯の森が広がる島。2021年には周辺の島々とともに世界自然遺産に登録され、多くの固有種が暮らす「東洋のガラパゴス」とも呼ばれています。島中央部のマングローブ原生林は日本で2番目の広さを誇り、穏やかな水面を進むカヌー体験も人気。金作原原生林などのガイドツアーに参加すれば、専門ガイドの解説とともに、足元の草花から夜の生き物まで、奄美ならではの自然を安心して満喫できます。

「種子島」は、美しい星空を誇る島です。「光害」が少なく星空の観測に適していると認定されたことから「星空の島」といわれています。島内には、パワースポットの「天女ヶ倉の巨石」や、屋久島を見渡せる「南種子町西海岸」、天然記念物の「住吉のカジュマル」など、数多くの観光スポットが点在。フィッシングやサーフィンなどのマリンスポーツも楽しめます。ロケットの発射場がある「種子島宇宙センター」も必ず訪れたいスポット。施設内にある「種子島宇宙センター宇宙科学技術館」では、人工衛星やロケットの仕組みなどが展示説明されています。実物大の模型を見たり、宇宙実験シミュレーションを体験したりすることも可能です。

「甑島」は、東シナ海に浮かぶ上甑島・中甑島・下甑島の3島から構成される列島のことです。上甑島・中甑島は山が低くなだらかな土地が多いのに対し、下甑島は高い山と切り立った断崖が特徴です。約1533mの「甑大橋」を通れば、陸路で上甑島エリアと下甑島エリアを移動できます。海辺ではシュノーケリングやダイビングを楽しめます。岩屋の浜近くには、甑島全体を臨む「帽子山展望所」や、甑大橋を一望できる「木の口展望所」もあるため、島の景色を堪能できるでしょう。