旅と人生を楽しむ スマートエイジング®術 旅と人生を楽しむ スマートエイジング®術

なぜクラブツーリズムの旅は“安全”に“安心して”楽しめるのか。
元気に健やかな生活を送ることに良い影響を与えているのか。
その理由を全12回の連載コラムで皆様にお届けしていきます。

※スマート・エイジングとは、「エイジングによる経年変化に賢く対処し、個人・社会が知的に成熟すること」を指します。東北大学が2006年から提唱している少子化・超高齢社会における新しい概念で、東北大学が商標を有しています。※登録番号 第6127103号

村田裕之先生

東北大学ナレッジキャスト㈱常務取締役
東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター特任教授
東北大学感染症共生システムデザイン学際研究重点拠点委員

新潟県生まれ。87年東北大学大学院工学研究科修了。
日本のシニアビジネス分野のパイオニアで常に時代の一歩先を読んだ事業に取り組む。経済産業省や内閣府委員会委員など多くの公職を歴任。高齢社会研究の第一人者として著書も多数。近著「スマート・エイジング 人生100年時代を生き抜く10の秘訣」(徳間書店)が好評。

連載コラム

【第8回】

脳を鍛えて認知症を予防しましょう

加齢にともない涙もろくなり、イライラするのはなぜ?

皆さんは以前に比べて涙もろくなったと感じていませんか。「NHKの朝ドラを観ると感情移入しやすいのか、必ず涙ぐむの」「先日ビデオで映画を観たら冒頭から涙があふれ出て・・・感受性が豊かになったみたい」―――こんな声が私の周辺でもよく聞かれます。

しかし、それは感情移入しやすくなったのでも、感受性が豊かになったのでもありません。加齢に伴う大脳中枢の機能低下が真の理由です。

また、ここ数年「怒りやすい年配者」が目立つようになっています。携帯電話販売店で若い店員に突然怒鳴り始めたり、駅や病院で暴言を吐いて乱暴に振る舞ったりする年配者を時々見かけます。

このように「怒りやすくなる」のも、上述の機能低下によって感情を抑制できなくなったためです。

記憶や学習、行動や感情を制御しているのは大脳の「背外側前頭前野」

私たちの身体では大脳の前頭葉の「背外側前頭前野(はいがいそくぜんとうぜんや)」と呼ばれる部位が脳全体の司令塔となり、記憶や学習、行動や感情を制御しています。

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涙もろくなったのも、怒りやすくなったのも、この部位が担っている感情の「抑制機能」が低下したためです。

歳をとるにつれて「涙もろくなること」は悪いことではないと思われるかもしれません。しかし「涙もろくなること」と「怒りやすくなること」は、この部位の機能低下が原因である点で表裏一体であり、決して楽観できません。

なぜならこの部位の機能が非常に低下した状態が認知症だからです。

脳トレには情報の「処理速度向上」と「処理容量拡大」の2種類

そこで、この機能を改善するのが「脳のトレーニング(脳トレ)」です。この分野の第一人者、東北大学の川島隆太教授によれば、脳トレには情報の「処理速度を向上する」ものと「処理容量を拡大する」ものがあります。

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前者の例としては、①大きな声で音読する、②簡単な計算を素早く解く、③手で書く、ことが挙げられます。毎日手軽にできる①の例として、1日800字程度、新聞のコラムなどの音読がお勧めです。また、②、③は市販の脳トレドリルを利用するのもよいでしょう。

ちなみに任天堂の「脳を鍛える大人のNintendo Switchトレーニング」で、これらのトレーニングがまとめてできます。

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一方、後者の例としては、「スパン課題」と「Nバック課題」があります。「スパン課題」とは、例えば数字を1、7、8、2……5と一つずつ見せたり聞かせたりした後に、覚えた数字をそのまま提示した順番で答えてもらったり、見たり聞いたりしたものとは逆に答えてもらったりする課題です。

また「Nバック課題」とは、連続して情報が提示されている最中にN個前に提示された情報を思い出して回答してもらう課題です。

例えば、数字を、1、7、8、2……5と一つずつ見せたり聞かせたりしている最中に、2バック課題では3番目に8が出てきた瞬間に、その2つ前に出てきた数字である1と答え、4番目に2が出てきたときには、同じくその2つ前に出てきた数字7と答えます。これを連続して行います。

実際にやってみると脳にかなりの負荷がかかることを感じますが、これが情報の処理容量(作動記憶容量といいます)の拡大につながることが東北大学の研究で明らかになっています。

参考までに任天堂の3DS用ソフト「ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング」(「鬼トレ」)でこれらの課題ができます。

作動記憶トレーニングを続けると様々な効果が現れる

興味深いことに、この作動記憶のトレーニングを続けると、脳の実行機能、予測や判断力、集中力も向上し、仕事や勉強の効率が上がったり、家事がスピードアップしたり、スポーツが上達したりと、様々な効果が現れることがわかっています。

様々な能力向上になり、認知症予防にもなる脳トレを毎日15分行うことをお勧めします。

◆ここがポイント◆

・加齢に伴い、大脳の前頭葉の「背外側前頭前野」が担っている感情の「抑制機能」が低下する。
・この機能が低下すると、涙もろくなったり、怒りやすくなったりする。
・「背外側前頭前野」の機能が非常に低下した状態が認知症のため、感情の「抑制機能」の低下兆候が出てきたら要注意。
・改善には、脳のトレーニング(脳トレ)が効果的である。

<対処法>
・毎日15分程度、脳のトレーニング(脳トレ)に取り組む。
・具体的には、①大きな声で音読する、②簡単な計算を素早く解く、③手で書く、④スパン課題、⑤Nバック課題などに取り組む。

【前回の復習】
30分のサーキット運動プログラムには、「抑制能力(がまんする力)」と、「活力(ポジティブな気分)」が即時的に向上させる効果があることが、女性専用フィットネス《カーブス》と東北大学加齢医学研究所との共同研究で学術的に明らかに。
連載第4回もお読みください。

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