旅と人生を楽しむ スマートエイジング®術 旅と人生を楽しむ スマートエイジング®術

なぜクラブツーリズムの旅は“安全”に“安心して”楽しめるのか。
元気に健やかな生活を送ることに良い影響を与えているのか。
その理由を連載コラムで皆様にお届けしていきます。

※スマート・エイジングとは、「エイジングによる経年変化に賢く対処し、個人・社会が知的に成熟すること」を指します。東北大学が2006年から提唱している少子化・超高齢社会における新しい概念で、東北大学が商標を有しています。※登録番号 第6127103号

村田裕之先生

東北大学ナレッジキャスト㈱常務取締役
東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター特任教授
東北大学感染症共生システムデザイン学際研究重点拠点委員

新潟県生まれ。87年東北大学大学院工学研究科修了。
日本のシニアビジネス分野のパイオニアで常に時代の一歩先を読んだ事業に取り組む。経済産業省や内閣府委員会委員など多くの公職を歴任。高齢社会研究の第一人者として著書も多数。近著「スマート・エイジング 人生100年時代を生き抜く10の秘訣」(徳間書店)が好評。

連載コラム

【第22回 ※最終回】

ウィズコロナ時代の旅と人生の楽しみ方

このコラムも今回で最終回となりました。改めて「ウィズコロナ時代」とはどういう時代か、この時代にはどのように旅と人生を楽しむのがよいのかをお話しします。

「ウィズコロナ時代」とはどういう時代か?

ウィズコロナ時代とは、文字通り、コロナウイルスと共に生活せざるを得ない時代です。

この時代には、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の感染拡大→政府による行動制限の強化→感染縮小→行動制限の緩和が周期的に繰り返されます。なぜ、繰り返されるのでしょうか?

ウイルスのヒトへの感染・増殖過程で変異が起こって出現した新たな変異株は、変異前のウイルス株よりも感染力が強まったり、免疫逃避力が強まったりします。

すると、変異株によって新規感染者が増えやすくなることに加えて、変異前のウイルス株への免疫を持っている人でも感染しやすくなり、感染が広がっていきます。

こうして一旦感染が縮小したように見えても、しばらくするとまた拡大し、周期的に繰り返されていきます。(図表1、2 東京都の新規感染者数と死亡者数の遷移)

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「ウィズコロナ時代」は少なくともあと数年は続く

では、この周期的な繰り返しは、いつまで続くのでしょうか?少なくともあと数年は続く、というのが多くの専門家の意見です。

今年の2月に新規感染者数の直近のピークが見られましたが、2月以降は減少傾向にあります。しかし、6月になってから減少傾向は下げ止まり、リバウンドの兆しが見られます。

実は世界中ですでにリバウンドが起こっています。感染源はオミクロン株の変異株です。ただし、国によって種類が異なり、米国ではBA.2.12.1という変異株、ポルトガルではBA.5という変異株が主流、という具合です。

日本も7月に入ると本格的なリバウンドが起こると専門家は予想しています。

その第一の理由は、3回目接種を終えた人の免疫が落ちてくることです。特に高齢者は接種時期が2月ごろだったので、4回目接種をしていない人は抗体価がかなり下がっていると思われます。

第二の理由は、真夏になると暑いため部屋を閉め切ってエアコンを回すため、換気が悪くなることです。過去2年間も真夏と真冬のエアコン稼働率が上がり、換気が悪くなる頃に感染が拡大しています。

第三の理由は、夏季休暇で人の移動が多くなることです。GO TOトラベルのような旅行割引で人の移動が増えれば、変異株は間違いなく拡散しやすくなります。

そして、第四の理由は、訪日外国人の受け入れ再開で海外からの変異株が拡散しやすくなることです。もちろん、水際対策はそれなりに取られていますが、受け入れ人数が増えれば感染リスクは必ず上がります。

こんなことを書くと「なんだ、やっとコロナが落ち着いてようやく旅行に行けると思ったのに、縁起でもないことを言うな」と怒られそうですね(苦笑)。

しかし、過去2年半のコロナ禍で私たちが学んだことは、科学的知見に基づき、よく考えて行動することの重要性です。

仮に7月、8月に旅行を計画されている方は、上述したことを念頭に置いて、どのような対策を取ればリスクが低いかを考えて旅行すればよいのです。

政府・自治体による行動制限で私たちの行動はどうなるか?

政府・自治体による緊急事態宣言などの行動制限により、私たちはどのような行動をとり、それが健康面にどのような影響を及ぼすかについて、これまでの連載(第11回、第21回)でお話してきましたが、概ね次の流れでした。

行動制限がかかる→家で過ごす時間が増える。すると・・・

①運動不足になる→下半身が衰える→つまづきやすくなる、転倒しやすくなる→要介護リスクが上がる
②間食やアルコール摂取量が増える→体重が増える→糖尿病など基礎疾患が悪化する
③テレビ・ビデオの視聴時間が増える→認知機能が低下する→意欲が低下する・外出がおっくうになる

緊急事態宣言などの行動制限は「もううんざりだ!」という方が多いと思います。しかし、世界の状況を見れば、日本でも名称は変えるとしても何らかの行動制限が再度発令される可能性は十分あります。

行動制限期をどう過ごすかがカギ

重要なのは、こうした行動制限が発令されたとしても、健康に元気でいきいきと過ごすことができる生活スタイルを実践することです。

本連載でお話ししてきた「スマート・エイジング」の考えに基づく生活スタイルが、まさにそれです。具体的には次の行動をとりましょう。

1.家の中で
(1)ストレッチやヨガ、スクワットなど家でできる運動を1日30分行う。
(2)テレビやビデオの視聴は1日2時間までとする。
(3)脳トレを1日15分行う。
2.家の外で
(1)朝活(第5回参照)をする。時間がなければ1日30分ウォーキングする。
(2)食事や食材の宅配の利用は最小限とし、できるだけ買い物に出かける。
(3)可能ならコロナ対策をしっかりしたスポーツジムで運動する

旅行はクラブツーリズム主催の「地域文化ツアー」に参加する

過去2年半、緊急事態宣言が発出されると、皆さんの大好きな旅行ができなくなりました。しかし、この状況を打開すべく、クラブツーリズムは地方自治体と連携し、地域の文化資源を活用した興味深い「地域文化ツアー」をどんどん生み出しています。

例えば、東京都台東区との連携協定で実現した「江戸の匠・職人を撮るツアー」では、参加者は東京・浅草、蔵前の職人を撮影できます。

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伝統工芸の工房など一人では通常入ることができない特別な場所にカメラを携えて入れるのです。参加者は「本物の職人さんの息遣いを感じながら仕事風景の瞬間を撮影できたのが刺激的だった」と話しています。

茨城県牛久市との連携協定で実現した「牛久ワイナリーツアー」も人気です。「牛久シャトー」は、1903年設立の日本初の本格的なワイン醸造場。2020年に山梨県甲州市とともに日本遺産に認定されました。ここを舞台に「日本ワイン」一日学校“牛久編”として日帰りツアーにしたところ、好評を博しています。

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ツアーの中身は日本ワイン140年史から始まり、日本初のワイン醸造所の解説、ワイン畑でのフィールドワーク体験まで多岐に渡ります。昼食は地場素材の料理とワインテイスティングまであります。

参加者は「ワイナリーやシャトーを見学するだけではなく、日本ワインの歴史について学べたり、ブドウ畑を実際に見学できたりでとても勉強になった」と話しています。

地域の職人やプロフェッショナルとの密度の濃い体験は、外出機会が減り、テレビやネットでの情報に飽きた人にとって極めて新鮮です。

こうした地域文化ツアーは自宅からおよそ1時間圏内の地元または近隣への短距離旅行で、多くが日帰り旅行です。

意外性のある文化体験ツアーですが、近距離の移動なので感染リスクが小さく、仮に緊急事態宣言が発出されても、実現可能性が高いのです。

ウィズコロナ時代でも旅を楽しみ、人生を楽しめるよう、クラブツーリズムはこれからも全力を挙げて皆さんをサポートしていくと思いますので、今後の企画にご期待ください。

◆ここがポイント◆

●コロナ禍で行動制限が発令された場合も、健康に元気でいきいきと過ごすためには、「スマート・エイジング」の考えにもとづく生活スタイルを実践することが重要。

1.家の中で
(1)ストレッチやヨガ、スクワットなど家でできる運動を1日30分行う。
(2)テレビやビデオの視聴は1日2時間までとする。
(3)脳トレを1日15分行う。
2.家の外で
(1)朝活(第5回参照)をする。時間がなければ1日30分ウォーキングする。
(2)食事や食材の宅配の利用は最小限とし、できるだけ買い物に出かける。
(3)可能ならコロナ対策をしっかりしたスポーツジムで運動する

【これまでの復習】
今回で連載は最終回です。ぜひ、連載を第1回から目を通し、「スマート・エイジング」の考えを取り入れて、心身ともに健やかに過ごしてゆきましょう。

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