北川村「モネの庭」マルモッタン(イメージ)
北川村「モネの庭」マルモッタンは、印象派を代表する画家クロード・モネが作り上げた庭をモデルとし、「モネの庭」という名称を公式に認められた、高知県にある庭園です。庭を歩くと水面に浮かぶ色とりどりの睡蓮、太鼓橋や藤棚、バラのアーチなど、モネが描いた風景がそこかしこに広がっています。今回は「モネの庭」の見どころやベストシーズン、イベント、カフェなど、おすすめの楽しみ方をご紹介。「モネの庭」と併せて訪れたい高知県立牧野植物園や大塚国際美術館も取り上げました。
No.01 北川村「モネの庭」とは?
「モネの庭」ボルディゲラの庭(イメージ)
北川村「モネの庭」マルモッタンは、印象派画家クロード・モネの愛した庭がモデル。本家が門外不出としてきた「モネの庭」の名称を唯一、公式に許可された庭園です。パレットのように豊かな色彩が広がる『花の庭』、モネを代表する絵画・睡蓮の風景と出逢う『水の庭』、地中海の風景を表現した『ボルディゲラの庭』の3つのゾーンで構成されています。散策コースや遊びの森なども設けられ、高知・北川村の自然をたっぷりと堪能できるでしょう。
No.02 モネが夢見た青い睡蓮
「モネの庭」水の庭の青い睡蓮(イメージ)
睡蓮はモネにとって、代表的なモチーフのひとつです。青い睡蓮の開花を夢見ていましたが、熱帯性のため、フランス北部にあるジヴェルニーの気候には合いません。温室を建ててまで栽培を試みるも、最後まで開花できなかったといわれています。
高知・北川村は気候が温暖なこともあり、毎年6月下旬頃になると「水の庭」で青い睡蓮が咲き始めます。真夏が最盛期で10月下旬まで見頃が続き、開花する時間帯は10:00~15:00頃。水面から、すらりと伸びるように咲く様子をぜひご覧ください。
No.03 幸せを運ぶブルービー(青い蜂)
ブルービー(イメージ)
北川村「モネの庭」には、ブルービーといわれる青いハチが飛来することで知られます。このハチの正式名称は「ナミルリモンハナバチ」といい、黒に鮮やかなブルーの模様が入った体が特徴です。花の蜜や花粉をエサとするミツバチの仲間ですが、他の種類のハチが作った巣に卵を産んで子育てさせる特殊な習性があります。なかなか見かけない希少性から、「幸せを運ぶ青いハチ」と呼ばれています。「モネの庭」には、毎年7月から9月上旬にかけてやってきます。特に7月下旬〜8月中旬が見つけやすい時期なので、ぜひ探してみてください。
No.04 ナイトキャンバス(ライトアップイベント)
ナイトキャンバス(イメージ)
「モネの庭」では季節ごとに様々なイベントを開催しています。晩秋から初冬にかけては「ナイトキャンバス」として毎年テーマを変えた、ライトアップイベントが人気です。キャンドルやイルミネーションで照らされた庭は、黄昏時の神秘的な光が植物や花たちの色彩と溶け合い、幻想的な美しさを見せてくれます。夜空を彩る華やかな打ち上げ花火や、ボルディゲラの庭のライトを消して満天の星を鑑賞する「ブラックナイト」、謎解きゲームなどバラエティに富んだ演出で見どころ満載です。イベントについての最新情報はモネの庭公式ホームページをご覧ください。
No.05 色とりどりのバラのアーチ(花の庭)
「花の庭」バラのアーチ(イメージ)
北川村「モネの庭」はフランス・ジヴェルニーの監修のもと、花壇の場所と花の色が厳密に決められており、季節や日差しが移ろうにつれその表情を変えていきます。『花の庭』に連なるバラのアーチもその一つです。両脇から頭上に向かって咲く姿と、足もとに配された花々とともに色彩豊かな風景を作ります。バラのアーチは水の庭や小庭園など園内の各所にもあり、つるバラの密集するボリューム感が印象的です。バラは園内全体で約200種500本を数え、見ごろは例年、早咲きのバラが4月後半ごろから始まり、多くは5月半ばから末、梅雨入りの前までとなっています。
No.06 季節ごとの見ごろは?
●春(3~4月)…チューリップ・藤
3月、水の庭の丘一面に広がる早咲きチューリップが春を告げ、下旬には花の庭の季咲き品種も多彩な色を描きます。4月下旬には藤が水の庭の太鼓橋上、庭奥の藤棚で盛りを迎え、水面に映る姿や、花が散って藤色の花筏となる風景も。
3月はパンジー、スイセン、クリスマスローズ、4月はアイリス、チェイランサス、ボタンなども見ごろです。
●初夏(5~6月)…バラ・アジサイ
5月はバラの最盛期です。『花の庭』を中心に香りも広がり、モネが愛した品種・マーメイドも6月初旬に見られます。梅雨期はアジサイが水の庭・花の庭・ギャラリー棟周りで開花し、色の競演を見せます。
5月はポピー、ラバテラ、クレマチス、ジキタリス、6月はナスタチウム、ユリ、アガパンサス、グラジオラスなども見ごろです。
●夏(7~9月)…スイレン
モネ作品を代表するモチーフ、睡蓮を鑑賞するなら夏の午前中です。『水の庭』ではモネが描いた温帯性の睡蓮や、彼が栽培に挑みながら果たせなかった熱帯性の青い睡蓮も咲き始めます。
7月はダリア、ルドベキア、ジンジャー、アメリカフヨウ、8・9月はミソハギ、カンナ、ヒマワリ、リコリスなども見ごろです。
●秋(10~11月)…紅葉
秋はぜひ紅葉狩りを。10月下旬から冬の休園間際まで楽しめます。モミジに限らず、水の庭のアメリカフウ、ナンキンハゼ、黄金色からレンガ色に染まるメタセコイアが見事です。遊びの森にも赤が鮮やかなドウダンツツジやサルスベリが咲き誇ります。
10・11月はアスター、ダリア、コスモス、サルビア、キク、クフェア、ケイトウも見ごろです。
No.07 カフェでランチやスイーツも!
カフェ モネの家(イメージ)
地元産の食材を使ったグルメも「モネの庭」の魅力のひとつです。「カフェ モネの家」は開園時間からオープンしており、朝食や特製カレー、季節で変わるランチの他、イベントにちなんだ特別メニューや色彩豊かなスイーツなど、ラインナップも豊富です。高知特産のゆずを使ったドリンクや果汁をかけたソフトクリームもあり、テイクアウトして庭を臨むテラス席で食すのもよいでしょう。
「手作り工房」で毎日作られるパンやシフォンケーキは、地元素材を活かしたあたたかい手づくりの味わいが人気。「ショップ」や「カフェ モネの家」で販売しているので、ぜひ味わってみてくださいね。
No.08 本場フランス・ジヴェルニーの庭を再現
フランス・ジヴェルニーの庭(イメージ)
フランス・ジヴェルニーには、現在もモネが後半生を過ごした庭と家が保存されています。最初は楽しみのため、後には画題としての庭づくりに丹精し、彼の庭も「生きた美術館」と評されるようになりました。
北川村「モネの庭」マルモッタンでは、本家の庭園管理責任者のアドバイスのもと、ジヴェルニーの庭を再現されています。花の庭のアーチはモネの庭の小路さながらで、庭のエリアごとの花の色まで指定のある徹底ぶり。「睡蓮」の連作や、「アイリス」等の作品は『水の庭』で体感できます。浮世絵から日本的な要素に影響を受けた藤や太鼓橋、本家から株分けされた睡蓮の池の色彩や造形など、モネの絵画の世界を満喫できます。
No.09 基本情報
■所在地
〒781-6441 高知県安芸郡北川村野友甲1100番地
■周辺地図
https://maps.app.goo.gl/TASdapLDKGj1AwHR8
■営業時間
9:00~17:00(最終入園 16:30)
■休園日
6月~10月の第1・第3水曜日、12月1日~2月末日
■電車でのアクセス
JR土讃線後免駅から土佐くろしお鉄道(ごめん・なはり線)奈半利駅下車、北川村行き村営バスに乗り換え「モネの庭」停留所下車。
■車でのアクセス
・JR「高知駅」より約90分
・高知自動車道「南国IC」より約70分
・土佐くろしお鉄道奈半利駅から約10分
■駐車場
あり
■電話番号
0887-32-1233
■ペット同伴
不可
No.10 「モネの庭」と併せて訪れたい植物園と美術館
高知県立牧野植物園
北川村「モネの庭」から車で約1時間半。高知出身「日本の植物分類学の父」として知られる牧野富太郎博士ゆかりの総合植物園です。五台山付近に広がる約8haの園内では、年間通して3000種類以上の野生植物や園芸植物を楽しめます。ジャングルのような温室や植物図を展示する「牧野富太郎記念館」、見晴らし抜群の広場など、見どころがいっぱいです。
大塚国際美術館
モネの「大睡蓮」を原寸大で見るならば、大塚国際美術館へ。徳島・鳴門公園内にあり、館内すべての作品は、西洋名画を陶板で原寸大に再現している美術館です。モネの作品は屋外展示され、周りには睡蓮が浮かぶ池も設けているので、作品と花の両方を観賞できるのが魅力。7~9月頃はモネが愛した青い睡蓮の見ごろです。
※写真は大塚国際美術館の展示作品を撮影したものです
※睡蓮の開花時期は天候や品種により異なります
北川村「モネの庭」マルモッタンは絵画の世界とともに、青い山海を背景にした四季折々の自然と触れ合うことができ、いつ訪れても新鮮な発見があるでしょう。高知県立牧野植物園や大塚国際美術館も併せて、四国の庭園めぐりを楽しんでみませんか?
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