クラブツーリズム TOP「旅の友」Web版【西日本】旅のアルバム帳「個性派揃いの仏像めぐり」

連先企画 今月のテーマ 「はじめの一歩」これを知れば楽しさ倍増!?仏像の基礎知識旅のアルバム帳 2012年10月24日取材 個性は揃いの仏像めぐり

「旅の友」西日本版新年号に掲載。
※東日本版、中部・東海版は、記事内容が異なります

旅の友web版新年号

「旅の友」Web版新年号

旅のアルバム帳 2012年10月24日取材

個性派揃いの仏像めぐり

高月観音の里歴史民俗資料館を見学中の旅仲間

滋賀県・湖北地方には、京都・奈良に劣らぬ魅力的な仏像がたくさん存在します。今回の日帰りツアーで訪れた6つのお寺・お堂について、誌面ではご紹介しきれなかった内容とともにお届けします。

向源寺 国宝 十一面観音菩薩像

国宝 十一面観音菩薩像

仏像関連の書籍などでは必ずといっていいほど紹介される、人気の高い十一面観音。もともと関西地方では有名な一体でしたが、全国的に知れ渡ったのは平成18年のこと。東京国立博物館で開かれた「仏像 一木に込められた祈り」展に出展されたことがきっかけでした。今では関東地方から訪れる人も多く、それまで以上に多くの人に愛されるようになりました。

お目当ての仏像との出会いが近づき足取りも軽くなりま

高月観音の里 歴史民俗資料館

十一面観音菩薩像が納められた渡岸寺(どうがんじ)観音堂

皆さん興味津々です

石道寺 重文 十一面観音菩薩像

向源寺の十一面観音菩薩像と人気を二分するのが、ここ石道寺の十一面観音です。なんといっても小さく結ばれた赤い唇が特徴的で、まるで初々しい女性のような観音様。また、足元をよく見てみると、右足の親指が少し上がっているのが分かります。これは、人々を救うための一歩を踏み出そうとしている瞬間を表しているといわれています。

山の懐に抱かれたような小さなお堂

のどかな風景の中、のんびりと歩く旅仲

己高閣・世代閣 重文 魚藍(ぎょらん)観音菩薩像

仏像に造詣が深い高瀬嘉行さん。己高閣の前にて

どちらも、戦禍に見舞われて焼失してしまったお寺などの仏像を納めた収蔵庫。およそ90体の仏像が安置され、今なお村人たちによって大切に管理されています。中でも人気なのが、お魚籠をもった日本でもめずらしい魚籃観音。上半身裸というたたずまいで、非常にインパクトの強い仏像です。

世代閣へ足を踏み入れる一行。己高閣のすぐ隣にある

黒田観音寺 重文 准胝(じゅんてい)観音菩薩像

地元では「黒田の観音様」と親しみを込めて呼ばれる准胝観音が納められています。像高はおよそ2メートルで、堂々とした観音様。ちなみに准胝観音も変化観音のひとつですが、十一面観音や千手観音に比べると数が少なく貴重な仏像です。また、おでこに第三の目を持つ少し不思議なお姿をしています。

お堂に入りきれなくても熱心に目を凝らします

石道寺と同じく山の静けさに包まれた小さなお堂

重文 准胝(じゅんてい)観音菩薩像

赤後寺 重文 聖(しょう)観音菩薩像 重文 千手観音菩薩像

厨子(ずし)の扉が開いて現れるのは、少し痛ましいお姿の2体の仏像です。千手観音は本来42本の腕があるのですが、残っているのは12本だけ。頭上にいただいていたはずの十一面もありません。一方、聖観音も手首から先がなくなってしまいました。戦禍の中で仏像を必死になって守り抜いた、当時の村人の努力が偲ばれます。

お堂に入る瞬間は、いつだって心がワクワク

西野薬師堂 重文 薬師如来像 重文 十一面観音菩薩像

町中に溶け込んだような小さなお堂

バス移動も15分ほどなので、効率よく仏像めぐりを楽しめました

薬師堂という名のとおり、薬師如来を中心に十一面観音、そして十二神将像が安置されています。このお堂も村人によって共同管理されており、お堂の中に腰を下ろすと目の前の白い幕がスルスルと上がって仏様が登場します。また、管理人がユニークかつ熱心にお話ししてくれるので、仏像めぐりが初めての方でも楽しむことができるでしょう。

湖北地方には貴重な仏像がたくさんあります。ぜひ一度お越しください! 本日最後の仏像との出会いを満喫 

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