25 recommended mountain and trekking spots that you can easily enjoy all year round

筑波山は日本百名山の中で最も標高が低く、古来より「東の筑波、西の富士」といわれて親しまれてきました。標高877ｍの女峰山と標高871ｍの男体山のふたつの峰があり、ケーブルカーやロープウェイで手軽にアクセスできます。中腹では梅林が広がり、2～3月は白梅・紅梅の見ごろ。5月にはケーブルカー沿線でツツジが群生するなど、季節ごとの花を楽しめます。登山の定番は筑波山神社から御幸ヶ原コースを通って、白雲橋コースから下山する周回ルート。男体山と女体山の両方を歩き、変化に富んだ行程を満喫できます。下り道は弁慶七戻りや高天原などの巨岩、奇岩が見どころです。

標高329mの鋸山は、のこぎりの歯のようにギザギザとした山の形が特徴です。元々は採掘場だったことから、石切り場跡や垂直の岩壁が今も残っています。浜金谷駅登山口から山頂まで徒歩で行くと、石材の運搬に使われていた車力道跡や、巨大な岩壁がそびえる切り通し跡、吹抜洞窟など迫力のある景観を楽しめます。ロープウェイを利用すれば約4分で山頂に到着し、眼下に東京湾を望むビュースポットとなっています。鋸山の南斜面には、約1300年の歴史を持つ日本寺があり、断崖絶壁の突端から絶景を楽しめるスリル満点の地獄のぞきや、高さ約31mもある大仏様が見どころです。

伊豆ヶ岳は、奥武蔵エリアを代表する標高851mの山で、武甲山や奥多摩方面の山並みを望みます。正丸駅から吾野駅への縦走ルートは特に人気。伊豆ヶ岳山頂を越えて子ノ権現まで縦走コースを歩き、吾野駅へ下山するルートで登り下りのある尾根道や山頂の岩場から素晴らしい眺望が楽しめます。子ノ権現は、足腰の守護神として知られており、境内には重さ2トンもある鉄のわらじが奉納されていて記念撮影にも最適です。近くには竹寺と呼ばれる医王山薬寿院八王子があり、住職の法話を聞きながら精進料理（要予約）を楽しめます。

飯能市の文教施設の集まるエリアからも近い天覧山は、明治天皇が演習を「天覧」されたことでその名がつきました。標高197mで勾配も緩やかですが、晴れていれば山頂から富士山や丹沢山地の峰々が望めます。さらにハイキングコースが多峯主山まで続き、途中に子ども用の鎖場もあったりと、親子も気軽に行ける歩きやすさが魅力です。標高271mの山頂からは飯能市街、狭山丘陵越しに東京都心が広がる大パノラマを楽しめます。

東京都と埼玉県の県境尾根上にある、標高969ｍの棒ノ折山は、日帰り登山の適地として人気の山です。名栗温泉からのルートもありますが、景観の変化を求めるなら有間ダムから沢沿いを辿りましょう。ダム湖・名栗湖周辺は新緑から川遊び、秋は紅葉を楽しめます。登山道も、岩場・鎖場・木橋・滝が連続するアドベンチャー感が満載です。山頂からは奥武蔵、奥多摩の山々が一望でき、下山後に温泉で疲れを癒すこともできます。

言わずと知れた人気の山、高尾山。自然研究路をはじめ多くの登山コースがあり、体力や目的に合わせて選ぶことができます。1号路途上にある薬王院近くはムササビが出現しやすいスポットです。冬でも多くの登山者が訪れ、12月、冬至ごろの日没には標高599mの山頂からダイヤモンド富士も楽しめます。南側の尾根の明るい道を歩く稲荷山コースは、近年、階段や手すりも増え、しっかり歩きたいハイキングにもおすすめです。

修験道・山岳信仰の地としても知られ、武蔵御嶽神社を擁する御岳山は、標高929mですが、山頂付近までケーブルカーが通じ、散策にも適しています。ケーブルカー御岳山にも近いビジターセンターでは鳥・植物・昆虫等の情報収集やクラフト体験もでき、子どもも楽しめます。春の新緑、夏には岩間に流れる清流の涼しいロックガーデン、秋の紅葉や虫の声、冬の澄んだ空気に映える夜景など、四季を通じて豊かな自然と景観に恵まれています。

高水三山は、標高793mの岩茸石山・756mの惣岳山・759mの高水山の総称で、初心者向けの縦走コースとして人気です。JR軍畑駅からの緩やかな上りの後は標高差約400mの登りに。展望が開ける尾根歩きで奥武蔵の山々を一望した先では岩登りや急登も控え、変化に富むアップダウンは体力トレーニングとしても最適。道中は針葉樹と広葉樹の対比や花・野鳥・動物などの多彩な生態系、寺社もあり奥多摩らしさを味わえます。

神奈川県と東京都との境にそびえる陣馬山は標高855mで、関東の富士見百景（国土交通省関東地方整備局主催選定）・かながわの景勝50選（神奈川県選定）にも選ばれています。広く平らなため陣馬高原とも呼ばれる山頂は、天を仰ぐような白い馬のモニュメントがあります。周囲には3つの茶屋もあり、山頂からは富士山、関東平野、奥多摩・丹沢の山々を一望できる360度の眺望を堪能でき、休憩にも最適。春には多様な種類の桜も咲き、山ランチと花見が一度に味わえます。

丹沢山塊の南に位置する標高1272mの鍋割山は、鮮やかな新緑、秋の黄色く色づく紅葉が印象的なブナ林や、季節の花々も美しい山です。林道歩きも多いため眺望は山頂付近で開け、西丹沢から富士山まで一望できます。山頂の名物は鍋割山荘の鍋焼きうどん。寄（やどりぎ）には新松田駅、大倉には渋沢駅からと両登山口とも多くのバス便がある点も魅力ですが、冬は降雪・積雪もあり天候が不安定になり、軽アイゼンや防寒に備えた服装が必須です。
※冬季は積雪がある場合がありますので、登山をされる場合は現地情報を確認するようにしてください。

表丹沢の最高峰にあたる標高1491mの塔ノ岳。時間によっては薄い雲で真っ白になる日もありますがそれも一興。天気が良ければ、南アルプスと相模湾、さらには名峰富士山まで見渡せる山です。定番コースは急傾斜の場所もありますが、大倉尾根からひたすら一直線に登り続けるのが特徴です。標高が上がるにつれて秦野市街地を見下ろし、山頂では富士山や相模湾の景色を楽しめます。トイレや休憩所も比較的充実しており、標高差があるため高度な登山に挑む前のトレーニングにも向いています。
※冬季は積雪がある場合がありますので、登山をされる場合は現地情報を確認するようにしてください。

丹沢の東端にあるピラミッド型の美しい形状をほこる標高1252mの大山。雨降り山が転じて「あふりやま（阿夫利山）」とも呼ばれています。縄文時代から霊山と謳われ、火消しや農民、漁民などからも水を司る神の山として慕われてきました。山頂に本殿、中腹に下社を祀る大山阿夫利神社があり、源頼朝をはじめ多くの武将の崇敬の歴史を誇ります。山頂南側には相模湾や江の島、三浦半島、伊豆大島を一望する眺めはまさに絶景です。大山ケーブル駅付近には大山名物の豆腐料理を食べられる食事処や特産品の店が点在し、登山後のお立ち寄りにぴったりです。

標高1212mの金時山は、富士山・芦ノ湖・大涌谷など雄大な景色と、平安中期の武将、四天王の一人である坂田金時またの名を「金太郎」が切磋琢磨したことで有名な箱根外輪山です。登山口までのアクセスが良く、山頂も整備されていて、往復3時間で登れるコースは初心者うってつけ。整備された階段を上ると富士山を展望できる注目の撮影スポット乙女峠、さらに長尾山を超え、たどり着いた山頂には金時茶屋があります。大粒なめこがたっぷり入ったみそ汁や、おしるこ、甘酒など、疲れた体を癒してくれるメニューを絶景とともに味わえます。

明神ヶ岳は、箱根山を囲む外輪山のひとつで標高1169m。麓には曹洞宗の古刹、最乗寺があり天狗伝説ゆかりの大下駄が登山道の始まりです。途中に見晴小屋や「神明水」と「明神水」という水場があるので、小休息をはさみながら進めます。頂上は360度開けていて、金時山越しに見える富士山をはじめ、箱根の山々や相模湾まで見渡すことのできる大パノラマが魅力。ここから隣の明星ヶ丘への縦走路も人気です。冬は雪が積もるので、雪山の装備でおでかけください。

新潟平野のほぼ中央にある標高634mの山。彌彦神社の御神体で、縁結びの名所としても知られています。おすすめの見どころは、山頂からの日本海の眺望。 佐渡島や越後平野を見渡せるパノラマの景色は必見です。12～3月上旬は雪道になりますが、春の訪れとともに山野草めぐりを楽しめます。3月中旬から下旬はフクジュソウ、4月上旬までは雪割草、4月下旬から5月初旬は山桜が見ごろになります。山道が整備されているので比較的歩きやすく、表参道登山口から山頂まで歩いて約1時間30分。弥彦山ロープウェーを利用すればアクセスらくらく。山麓に弥彦温泉もあるので、下山後のリフレッシュに最適です。

岡崎・新城・豊川の3市にまたがる本宮山は、均整のとれた山容から三河富士と呼ばれています。標高789mの山頂に砥鹿神社の奥宮が鎮座し、パワースポットとして人気です。南山麓の麓の里宮から奥宮まで歩く表参道ルートが最も多く利用されており、1丁目から50丁目まである丁石を目印に歩けます。神域として保護されてきた樹林が続き、杉の巨樹や馬の背や蛙岩といった奇岩が見どころです。山頂まで行くと豊橋平野と三河湾の見事な大展望が広がります。4月頃はミツバツツジ、秋は紅葉、冬は南アルプスの展望など年間を通じて楽しめることも魅力の山です。

鳳来寺山は、全体が国の名勝・天然記念物に指定されている山です。標高695mで中腹には1300年以上の歴史を持つ鳳来寺があり、山そのものが信仰の対象とされてきました。麓から1425段の石段を登ったところに、徳川家光が建立した仁王門があり、参道では推定樹齢800年の傘杉が見どころ。山頂付近の天狗岩や鷹打場などで絶景を楽しめます。また、日本三大東照宮のひとつ鳳来山東照宮もあり、この地の歴史を感じることができるでしょう。紅葉の名所としても有名で、例年11月中旬以降には色とりどりの紅葉が鏡岩の山肌を彩ります。

伊豆半島に位置する金冠山は、沼津市・伊豆市にまたがる標高816ｍの山です。約100万年前から50万年前にかけて活動した達磨火山の側火山で、達磨火山の浸食地形など地形と岩石の成り立ちを観察することができます。春はマメザクラの花が咲き誇り、ピンク色に彩られる風景が見事。山頂からは美しい海岸線の景色が広がり、北側は駿河湾越しに富士山の雄姿を眺められる絶景ポイントです。伊豆山稜線歩道として整備されているので、達磨山・小達磨山・金冠山を縦走するコースもおすすめです。

京都と滋賀の県境に位置する比叡山。春は桜、夏は青紅葉の名所です。大比叡山頂は標高848ｍ、山全体が世界遺産・延暦寺の境内で、山麓には全国3800の末社を持つ日吉大社が鎮座します。古くから僧侶の修行の場とされ、比叡山の峰々を縫うようにめぐって礼拝が行われてきました。代表的なトレッキングコースは日吉大社の鳥居からスタートする本坂ルートです。石段を登って花摘み堂や亀塔を通ると、迷うことなく延暦寺にたどり着けます。あまり整備されておらず、道中は荒れた道もあるので歩きやすい靴で登りましょう。

標高642mの生駒山は、奈良県と大阪府の境目にあります。ケーブルカーも通っており、家族連れやカップルにも人気。桜、あじさい、ツツジ、椿など、季節の花や紅葉、雪も少ないので年間通してハイキングを楽しめます。自然だけでなく、歴史的文化財にも恵まれており、宝山寺をはじめとした寺社や祠、修行場なども。山頂には、大阪平野を一望できる、生駒山上遊園地が広がります。疲れたら、ケーブルカーの使用も可能なのでトレーニングコースとしてもおすすめです。

愛宕山は標高924m。山頂には、全国にある愛宕神社の総本宮が祀られています。京都市街を見下ろす展望と、春は桜・秋は紅葉が魅力。麓から山頂まで、色づき具合を眺めながらの山歩きを楽しめます。清滝から表参道を通っていくのがメジャーなコースで、約2～3時間で登頂です。また、火伏せの神様として、古くから信仰を集め、千日詣で賑わいます。7月31日の夜から8月1日の朝までに参拝すると、千日分の功徳が得られるというこの日は、登山口から山頂まであかりが灯り、人出もあるので、夜の登山も安心。のぼり坂や階段などありますが、良く整備され、歩きやすくなっています。

大阪と奈良の境に位置する、標高959mの大和葛城山は、関西で人気の登山スポット。「一目百万本」と称されるほどツツジの名所として知られており、開花期は鮮やかな赤い花で包まれます。ロープウェイがあるので、お子様連れにもおすすめです。夏の新緑、秋のススキに紅葉、冬はゲレンデと、1年中の絶景。山頂付近は、草原状の広々とした台地で、360度パノラマビュー。奈良盆地、大阪平野、大峰山脈、台高山脈まで見渡せます。

大小の山を含む六甲山地の中でも最高峰に位置する六甲山は、神戸や大阪からアクセスしやすく、ハイキングコースが豊富で自然と展望を手軽に楽しめる関西屈指の登山スポットとなっています。標高は931ｍで、傾斜も緩くて歩きやすいのが特徴です。ロープウェイやケーブルカーを使って登頂できますが、登山の定番は、阪急芦屋川駅から六甲山最高峰を歩くコースです。高座の滝を過ぎるとロックガーデンと呼ばれる岩場や鎖場があるので、登山用の靴で臨みましょう。山頂では高山植物園や、ガーデンテラス、夜には1000万ドルの夜景を望めます。

韓国岳は、標高1700ｍの霧島連山最高峰の山です。直径900m、深さ300mに達する大きな火口を持っており、今なお活火山として活動しています。頂上はえびのエコミュージアムセンターから歩いて約90分で、3合目にはえびの高原の眺望、5合目からは大浪池、錦江湾や桜島を眺望する絶景が広がります。山頂には高山植物であるミヤキリシマツツジが群生しており、5月下旬から開花し、山一面を紅紫色に染めます。下山後は霧島温泉郷で入浴し、登山の疲れを癒してみてはいかがでしょうか。
※韓国岳は噴火警戒レベル2以上となりますと登頂ができなくなります。

開聞岳は、標高924ｍとおよそ1500m以上の高さを基準とした日本百名山の中では例外的に低い山となっています。この山は薩摩富士とも呼ばれ、どの角度から見ても美しい円錐型の山容をなしています。また、戦時中沖縄に向かう特攻隊が開聞岳の上空から地上に特攻花と呼ばれる大金鶏菊を投げたという背景があります。らせん状の登山道が特徴で、ロープ場や梯子があります。それらを超えて山頂にたどり着くと、宮之浦岳・霧島連山・桜島・池田湖・開聞岳がほぼ一直線に確認出来る、360度の大展望を楽しめます。

登山やハイキングでは、汗をかいたり天候や気温の変化に対応できるよう適切な服装や装備が必要です。吸湿速乾性の高い肌着・Tシャツなどを重ね着して常に体温を調節できるように準備しましょう。紅葉の季節はとくに冷え込むことが多いので防寒対策もお忘れなく! パンツは動きやすいようにストレッチ素材のものがオススメ。足元には歩きなれたスニーカーが最適です。リュックやバックパックはアウトドア用を選べば素材が軽くフィット感もよいので疲れにくいでしょう。初級登山からは標高も高くなることが多いので登山靴などが必要。アウトドア用品は山で快適に過ごすための工夫が細かいところまでなされています。少しずつ揃えていくことも楽しみのひとつといえます。