A must-see at least once! Let's go see the national treasures you've seen in textbooks! Introduction to Buddhist statues: Top 10 national treasures

Updated: Nov. 07/2024

興福寺・阿修羅像(写真提供:興福寺)

興福寺・阿修羅像(写真提供:興福寺)

教科書でお馴染みの国宝仏像に実際に会いに行きませんか?本記事では、仏像入門者にもわかりやすく、関西に点在する10の国宝仏を紹介します。歴史的背景や美術的価値に触れながら、仏像の魅力を存分に味わえる内容です。千年の時を超えて今もなお人々を魅了するこれらの仏像を通じて、日本の文化と歴史の奥深さを体感しましょう。一度は訪れてみたい名所ばかり。さあ、魅惑の国宝めぐりの旅に出かけましょう。

No.01 〈世界遺産〉興福寺・阿修羅像【奈良県】

興福寺・阿修羅像(写真提供:興福寺)

興福寺・阿修羅像(写真提供:興福寺)

三つの顔と六本の腕を持つ興福寺の阿修羅像。この姿はインド神話のアスラを基にしており、それぞれの顔が異なる表情を見せています。一つの顔は怒り、もう一つは悲しみ、そして最後の一つは穏やかさを表現しています。上半身は裸で、条帛(じょうはく)と呼ばれる布と天衣をまとい、胸には美しい装飾品が飾られています。腕には腕飾りを付け、下半身には裳をまとっています。この細部まで作り込まれた装飾品や表情が、阿修羅像の魅力を一層引き立てています。均整の取れたその立ち姿はとても美しく、見る者に強い印象を与えます。

基本情報

■住所
 〒630-8213 奈良市登大路町48番地
■周辺地図
 https://maps.app.goo.gl/4bXFBJkQ4v5Qi3c2A
■拝観時間
 9:00~17:00(受付終了16:45)年中無休
■アクセス
 ・JR奈良駅からバスで約7分
 ・JR奈良駅から徒歩で約25分
 ・近鉄奈良駅から徒歩で約5分
 ・天理ICから車で約30分
 ・木津IC&宝来ランプから車で約15分
■駐車場
 あり
■電話番号
 0742-22-5370

No.02 〈世界遺産〉平等院・阿弥陀如来坐像【京都府】

平等院鳳凰堂(写真提供:平等院)

平等院鳳凰堂(写真提供:平等院)

平等院の阿弥陀如来坐像は、平安時代中期の大仏師・定朝の作であることが確証されている仏像です。定朝は藤原道長や頼通に重用された優雅で美しい和様彫刻の大成者であり、寄木造技法の完成者で、阿弥陀如来坐像はその技法を駆使した最古の例とされています。瞑想を表すまぶたを半ば閉じた半眼、なだらかな曲線の顔だちは気品があり、優しく穏やかな表情でたたずむその背後には、頭部と体から放たれた光を表現する二重円光が見られます。音楽を奏でる飛天が周囲を舞い、定朝の高度な技術と美的感覚を堪能することができます。

基本情報

■住所
 〒611-0021 京都府宇治市宇治蓮華116
■周辺地図
 https://maps.app.goo.gl/LTAjZTiKAgCWAjgL7
■拝観時間
 庭園8:30~17:30(受付終了17:15)
 鳳凰堂内部拝観:9:30~16:10(各回50名定員)※受付時間9:00~先着順によりなくなり次第終了
 平等院ミュージアム鳳翔館:9:00~17:00(受付終了16:45)
■アクセス
 JR宇治駅から徒歩で約10分
■駐車場
 なし(近隣のコインパーキングや平等院南門前の民営「宇治駐車場」をご利用ください)
■電話番号
 0774-21-2861

No.03 〈世界遺産〉薬師寺・薬師三尊像【奈良県】

薬師寺・薬師三尊像(イメージ)

薬師寺・薬師三尊像(イメージ)

正式には薬師瑠璃光如来といい、東の浄瑠璃浄土の教主で、人々の病気や災難を取り除き、健康と幸福を与える存在として信仰されています。手には水掻きのような模様、胸の中央には卍文様、足には千輻輪文(せんぷくりんそう)や双魚文といった文様が細かく彫られています。これは観仏三昧海経という仏説で説かれる如来の特徴を表しています。その繊細さは古代に作られた仏像の中でも群を抜いており、気品に満ちた立ち姿が見る者を引きつけます。造立当初は、鍍金(ときん)が施されて金色に輝いていましたが、現在では一部を除いて漆黒の姿となっています。

基本情報

■住所
 〒630-8563 奈良県奈良市西ノ京町457
■周辺地図
 https://maps.app.goo.gl/4AaRxCsLfEcyuKr69
■拝観時間
 9:00~17:00※拝観受付は16:30まで
■アクセス
 近鉄西ノ京駅より徒歩約1分
■駐車場
 あり
■電話番号
 0742-33-6001

No.04 浄瑠璃寺・九体阿弥陀如来坐像【京都府】

浄瑠璃寺・九体阿弥陀如来坐像(イメージ)

浄瑠璃寺・九体阿弥陀如来坐像(イメージ)

平安時代後期の仏教美術の代表作。末法思想を背景に、現世の幸福より極楽浄土での幸せを求めるという信仰が広まり、極楽浄土の主である阿弥陀如来への信仰が高まりました。『観無量寿経』によれば、極楽往生には生前の行いに応じた9つの段階があり、それぞれの段階に応じた阿弥陀如来坐像が並んでいます。九体の阿弥陀如来坐像の配置は、阿弥陀如来が極楽浄土から迎えに来る姿を象徴し、訪れる人々に安らぎを与えるのだといいます。繊細な彫刻に慈悲深い表情。九体の阿弥陀如来坐像の前に立てば、平安時代の人々の信仰と美意識が伝わってくるかのようです。

基本情報

■住所
 〒619-1135 京都府木津川市加茂町西小札場40
■周辺地図
 https://maps.app.goo.gl/YU5g1XecpiVPkMiA7
■拝観時間
 9:00~17:00※拝観受付は16:30まで
 12~2月は10:00~16:00※拝観受付は15:30まで
■アクセス
 JR大和路線加茂駅よりバスで約22分
■駐車場
 あり(民間有料駐車場)
■電話番号
 0774-76-2390

No.05 安倍文殊院・渡海文殊群像【奈良県】

(イメージ)

安倍文殊院・渡海文殊群像(イメージ)

「渡海文殊群像」は獅子に乗る文殊菩薩と四人の脇士が雲海を渡り、私達衆生の魔を払い、智恵を授けるための説法の旅に出かけているお姿を現したものです。獅子に乗り、右手に剣、左手に慈悲・慈愛を象徴する蓮華を持った騎獅文殊菩薩像は、文殊菩薩のの胎内墨書銘により大仏師・快慶の作と判明しています。向かって左に維摩居士(ゆいまこじ)という老人像とバラモンの僧である須菩提(仏陀波利三蔵)の像、向かって右に獅子の手綱を持つ優填王(うでんのう)と先導役の善財童子が並びます。威風堂々とした姿もさることながら、物語の1シーンのような光景が、見る者に強い印象を与えます。

基本情報

■住所
 〒633-0054 奈良県桜井市阿部645
■周辺地図
 https://maps.app.goo.gl/TygepstqB5Ym2Nbn8
■拝観時間
 9:00~17:00
■アクセス
 ・桜井駅よりバス約7分
 ・桜井駅より徒歩約20分
■駐車場
 あり
■電話番号
 0744-43-0002
■安倍文殊院公式ホームページ
 https://www.abemonjuin.or.jp/

No.06 円成寺・大日如来坐像【奈良県】

運慶は力強さと躍動感に満ちた作品を多く残し、武士階級から高い人気を得た平安末期~鎌倉時代の大仏師です。円成寺の大日如来坐像は、台座内部に墨書された銘文から、運慶の初期作品であることがわかります。若々しい顔立ちとたくましい体つきには、新しい時代の息吹と、青年運慶の情熱が感じられます。特に注目すべきは、仏像の眼に水晶をはめ込んだ玉眼技法です。生き生きとした表情を生み出すこの技法を、運慶は若いから好んで使っていました。一方で、如来と菩薩の像にはあまり玉眼技法を用いず、多くを彫眼で造ったことが知られています。大日如来はなぜ玉眼なのか。マニアの間でも意見が分かれる、そんな点に着目してみるのも仏像めぐりの楽しみ方の一つです。

基本情報

■住所
 〒630-1244 奈良県奈良市忍辱山町1273
■周辺地図
 https://maps.app.goo.gl/Ymq7cEWehJeXCwME6
■拝観時間
 9:00~17:00 ※受付は17:00まで
■アクセス
 ・奈良駅より柳生、邑地中村、石内行バス「忍辱山(にんにくせん)」下車すぐ
 ・奈良駅よりタクシーで約20分
■駐車場
 あり
■電話番号
 0742-93-0353

No.07 浄土寺・阿弥陀三尊立像【兵庫県】

(イメージ)

浄土寺・阿弥陀三尊立像(イメージ)

快慶は運慶を棟梁とする慶派の大仏師で、精緻で絵画的な美しさをたたえたその作風は、後世の仏像彫刻に大きな影響を与えました。浄土寺の阿弥陀三尊立像は、来世を信じる人々に御来迎(ごらいごう)のお姿を実際に見せようとしたもので、中央の阿弥陀如来像は像高5.3メートル、両脇侍立像は像高3.7メートルもある巨大なものです。阿弥陀如来は装飾品を身につけておらず、これは悟りを開いた釈迦の姿を現しているからだといいます。興味深いのは、本尊の両手の上げ下げが一般的な仏像と逆であり、両脇侍立像の配置も左右逆さになっている点です。これは、快慶が宋の仏画を参考にしたためとされており、この独特な配置と陽日が差し込む時間帯の「御来迎」は、浄土寺拝観の大きな魅力となっています。

基本情報

■住所
 〒675-1317 兵庫県小野市浄谷町2094
■周辺地図
 https://maps.app.goo.gl/P351LFTCmhupT2Fc7
■拝観時間
 9:00〜12:00/13:00~17:00
 ※10〜3月は16:00まで ※12月31日・1月1日は堂内拝観不可
■アクセス
 ・山陽自動車道の三木・小野ICから車で約15分
 ・中国自動車道の滝野・社ICから車で約20分
 ・JR三ノ宮駅からバスで約1時間
 ・JR明石駅からバスで約30分
■駐車場
 あり
■電話番号
 (歓喜院)0794-62-4318
 (宝持院)0794-62-2651

No.08 室生寺・十一面観音菩薩立像【奈良県】

(イメージ)

室生寺・十一面観音菩薩立像(イメージ)

都から遠く離れた山あいにたたずむ室生寺は、かつて女人禁制であった高野山に対し女性の参拝も認められていたことから「女人高野」と呼ばれていました。白洲正子はその著書『十一面観音巡礼』で、「(甘美な天平の夢から)醒めることの苦悩と、緊張を、この観音は身をもって示していると思う」と室生寺の十一面観音菩薩立像について語っています。貞観時代の彫刻や彩色をとどめながらも、平野の観音の安らぎではなく、山あいの仏の暗さや窮屈さと力強さを、だからこそ感じられる中国文化から自国文化に転換するための平安時代の文化人たちの苦悩を、この仏像に見出していたのかもしれません。

基本情報

■住所
 〒633-0421 奈良県宇陀市室生78
■周辺地図
 https://maps.app.goo.gl/N1dodCNZPFGBVY8S8
■拝観時間
 8:30~17:00 ※12月~3月は9:00~16:00
 (寳物殿) 9:00~16:30 ※12月~3月は9:30~15:30(受付は15:00まで)
■アクセス
 ・室生口大野駅からバスで約14分
■駐車場
 あり
■電話番号
 0745-93-2003
■室生寺公式ホームページ
 http://www.murouji.or.jp/

No.09 聖林寺・十一面観音立像【奈良県】

(イメージ)

聖林寺・十一面観音立像(イメージ)

均整の取れた体躯、豊かな顔立ち、流れるような天衣。この天平時代の傑作は、明治の神仏分離令を受けて、もともと祀られていた大神神社の大御輪寺から聖林寺に移されたものです。その美しさに見惚れたアーネスト・フェノロサが秘仏の禁を解き、人々の前にその姿を現しました。白洲正子が十一面観音を求めて聖林寺を訪れた際、その求めに応じて住職が雨戸をあけると、ほのかな光の中に観音が浮かび上がったそうです。「それは今この世に生まれ出たという感じに、ゆらめきながら現れた」(『十一面観音巡礼』)。白洲正子の心を大きく動かした十一面観音立像は、現在は2022年に改修され、免振機能を付けた観音堂に安置されています。全方向から間近で拝観いただけますので、ぜひご自身の目で、この観音の美しさに触れてみてください。

基本情報

■住所
 〒633-0042 奈良県桜井市下692
■周辺地図
 https://maps.app.goo.gl/LYD9cwvZ2pMKrJ4t5
■拝観時間
 9:00~16:30 (年中無休)
■アクセス
 桜井駅より南へ約2.6㎞
■駐車場
 あり
■電話番号
 0744-43-0005

No.10 観音寺(大御堂観音寺)・十一面観音立像【京都府】

(イメージ)

観音寺・十一面観音立像(イメージ)

飛鳥・奈良時代の面影を色濃く落とす京都・山城。大御堂観音寺の十一面観音立像は、そんな山城の天平文化を代表する仏像のひとつです。一木式木心乾漆造。木の芯に乾漆を施し、下地に漆を塗ってその上に金箔を施した漆箔(しっぱく)という技法で仕上げられています。二度目の拝観で訪れた白洲正子は「二度目にお目にかかる観音様は、聖林寺を見てすぐなのに美しかった」と『十一面観音巡礼』に記しました。唐の影響を多分に受けた天平仏の美しさ。人々が祈りをささげる対象が「塔」から「仏像」に移っていった時代。仏師たちが心血を注いだ奥深い表現を存分に堪能できる美仏です。

基本情報

■住所
 〒610-0322 京都府京田辺市普賢寺下大門13
■周辺地図
 https://maps.app.goo.gl/VHseknhSkXtVFD9v5
■拝観時間
 9:00~17:00
■アクセス
 JR学研都市線・近鉄三山木駅から奈良交通バスで「普賢寺」下車すぐ
■駐車場
 あり
■電話番号
 0774-62-0668


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