世界130カ国を旅した添乗員が直伝!
快適旅の持ち物&荷造り術(海外旅行編)

公開日 / 2026.03.18更新日 / 2026.03.18

旅をより快適に、そして安心して楽しむためには、ちょっとした工夫や持ち物の選び方がカギ。今回は、訪問国数130カ国・添乗歴20年のベテラン添乗員・久保田朋子(くぼた・ともこ)さんに“旅の荷造りの知恵”を教えてもらいました。

荷物はコンパクトでも、驚きの工夫がいっぱい

長期間にわたって日本を離れることも多いという久保田さんが長年の経験から導き出した、旅の荷造りのヒントを伺いました。写真は、1週間分くらいの荷物。工夫次第でこんなにすっきり!

「プライベートなら『足りなかったら現地で調達すればいいか』で済みますが、添乗ではそうはいきません。予定が組まれているからこそ『これがない!』と困らないように、想定できる状況に備えて各アイテムを持参しています」

いざ出発!長距離フライトを快適にする“機内ポーチ”の中身

長距離フライトが多い久保田さんは、機内グッズを専用ポーチにまとめています。中身は使い捨て歯ブラシや携帯用マウスウォッシュ、ボディーシート、アイマスク、マスクなどがぎっしり。

「飛行機に乗ったらまずご飯前に化粧を落としてさっぱり。到着前には歯磨きをして、また化粧をし直します。お客様と接する仕事なので、清潔感は常に意識します」

写真は、フェイスマスク。

「陽射しの強い国ではビタミンC入り、乾燥が気になる国は保湿力の高いものなど、行き先の気候に合わせて選んでいます」

現地で頼れる“臨機応変アイテム”は、別ポーチにぎゅっと

現地で使う“臨機応変アイテム”は、機内ポーチとは別ポーチにぎゅっと一式まとめています。中身は、湿布、絆創膏、冷却シート、目元シート、酸素濃度計、爪切り、虫除け、酔い止めなど各種薬、リラックスアイテム、スキンケアの試供品……。まるで魔法のポケットのように次々と出てきます。

目元シートの使い方も久保田さん流です。
「仕事でホテルに泊まるときは、夜も電気を消さず、お客さまからの急な問い合わせにも対応できるようにしています。とはいえ睡眠は大切なので、目元シートでしっかりケア」

高山病対策グッズも必須。
「酸素濃度計もそうですが、ボリビアで買った『魔法の水』(写真内の後列左から3番目)は、香りを嗅ぐだけでもリラックス。高山病の症状はメンタルからくることも多いので、こうしたケアは大事ですね」

スキンケアの試供品は、万が一お客さまがロストバゲージしたときに配ります。
「ハプニングがあっても、楽しい気分で旅行を続けてもらいたいですよね」
久保田さんのポーチは、まさに「ないものがない」状態。必要なものを効率的に詰め込んだ、プロならではの工夫が詰まっていました。

TPOごとに3足使い分け。専用ポーチでコンパクト収納

添乗員の仕事は、とにかくよく歩きます。1日で1〜2万歩を歩くことがあるため、靴選びはとても重要です。
「ツアーの内容にもよりますが、基本的に靴は3足持っていきます」
写真の左は添乗中に履くヒールが低めのパンプス、右がホテルで足をリラックスさせるために使用するという中履き専用ビーチサンダルです。

「靴はかさばりがちですが、この専用ポーチに入れるとコンパクトにスーツケースに収められます」

“サっと取り出す”ための、添乗員の裏技アイテム

旅慣れた添乗員の間で“裏技的”に重宝されるアイテムについても教えてもらいました。
「ボールペンは本当に使う頻度が高いんですが、すぐ無くしてしまうんです。そこで、ボールペンを伸縮するストラップで繋いでおくと便利。貴重品バッグにくくりつけておけば、いざというときにサッと使えます」

さらに意外な必需品として挙げられたのがガムテープ。
「スーツケースが壊れたときの応急処置や、靴の底が剥がれたときに巻くなど、何かと役立ちます。日本のガムテープは使いやすいので、必ず持参しています」

日常では見落としがちな小さな道具も、旅の現場では大きな助けになるのです。

かさばる洋服は圧縮!もしものためのライトダウンも必携

洋服はトップスとボトムスに分けて、それぞれ圧縮袋に収納。さらに帰国日用の服は別にしておくのがポイントです。

「出発時と帰国時では気候が大きく変わることがあります。帰国日の洋服だけを別の圧縮袋に分けておくと、ホテルで荷物を整理するときにさっと仕分けられます」

お客さまによく聞かれる質問は、服装について。近年は世界的異常気象もあり、数年前とは気候も変わってきているそうです。

「この夏スイスに行ったときは、朝晩はダウンが必要なほどの気温でした。ナミビアなど砂漠地帯でも、朝晩は急に冷え込むことがあります。暑くなったら脱げばいいので、寒さ対策としてライトダウンは必須です、とご案内しています」

陽射しの強い国では、日焼け対策もマスト。久保田さんは、帽子は「畳めて洗えるもの」をセレクト。アームカバーも必ず用意します。

日傘は晴雨兼用ですが、軽すぎるものだと壊れやすいため、ある程度しっかりしたものを選ぶのがポイントです。

文化の違いにあたふたしない!ホテルで役立つ便利アイテム

タンザニアやオカバンゴといった秘境エリアをこよなく愛する久保田さんは、文化の違いに遭遇することもしばしば。

「私の旅の必需品はコーヒーなのですが、海外のホテルでは湯沸かしポットが置かれていないことも。なので、必ず持参します。一緒に保温コップもセットにして、快適な朝の一杯を。これがあると、一日を頑張る力になります」

折りたたみ式のコンパクトなドライヤーも必携アイテムです。

「基本的にはホテルに備え付けられていますが、壊れていることも。フロントに問い合わせれば対応してもらえますが、面倒や時間を考えると、自分で持って行ったほうが安心でスムーズです」

そしてこちら。見た目だけでは何に使うのかピンときませんが……。

「これはバスタブ用の栓です。日本人はやっぱりお湯に浸かりたいですからね。海外のホテルでは、バスタブに栓がないこともあります。
全室そうであれば仕方ないですが、例えば10部屋のうち1部屋だけ栓がないこともあります。そんなときに、お客さまが快適にバスタブを使えるように持参しています」

「以前は、バスタブの栓代わりにゴルフボールを持参していたんですよ。ゴルフボールなら足裏マッサージにも使えましたしね。でも最近はゴルフボールをやめたので、代わりにマッサージ用のアイテムを持って行くようにしています」

冷却シートとセットで使い、旅先での足の疲れはその日のうちにリフレッシュするのが、久保田さん流です。

気になる防犯対策は「とにかくチェーンでつなぐ」

海外旅行で気になるのは盗難などのトラブル。久保田さんは、防犯の基本として「とにかくチェーンでつなぐ」と話します。

「パスポートは首からかけ、お財布は軽量タイプにしたうえで、それをチェーンをつけてカバンにくくりつけています。本当に怖いですから、貴重品は全部チェーンで固定しています」と徹底。

最後に荷造りについてのアドバイスをいただきました。

「とにかく、着回せる洋服がいいですね。ボトムスは日数分持たなくてもOK。シワになりにくい素材や軽めのスカートが便利です。サブバッグには、小さくなるボストンバッグが便利です。現地の民族衣装なども、気に入ったものなら持って帰りたいですよね。お土産だけでなく、洗濯物をまとめたりするのにも便利」

ちょっとした工夫で、荷物の扱いやすさや現地での快適さは大きく変わります。久保田さんの知恵を取り入れれば、旅の準備も心もより軽やかに、楽しくなりそう。

※記事中の内容は、久保田さん個人の経験・知見に基づくものです。