世界遺産登録決定!「飛鳥・藤原の宮都」 日本の原点を訪ねる3つの世界遺産

公開日 / 2026.09.15

2026年7月26日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会で、奈良県の「飛鳥・藤原の宮都」が世界文化遺産として登録されることが決まりました。日本が「国家」としての歩みを始めたルーツともいえる地です。ほかにも、古代の権力構造が垣間見える古墳群や、1万年以上続いた精神文化を伝える遺跡群など、日本の原点を語るような世界遺産が各地に点在します。今回はそんな日本の歴史とゆかりの深い世界遺産を巡っていきましょう。

2026年登録 奈良「飛鳥・藤原の宮都」

聖徳太子誕生、日本の始まりの地へ

聖徳太子誕生の地と伝わる橘寺

日本の歴史を語る上で欠かせない謎多き人物の一人が聖徳太子。その誕生の地として知られる奈良県明日香村と周辺に広がる「飛鳥・藤原の宮都」は、国家の骨組みが築かれた「日本国誕生の舞台」ともいわれています。

また、後代に文化的影響を与えた点や、東アジアの古代国家形成期に中央集権体制が誕生・成立した過程を、連続する時代の宮都の変遷から示すことができる唯一無二の資産として注目され、世界遺産に登録されました。

世界の注目が集まるこの考古学的遺跡群は、古き良き日本の田園風景の中に静かに息づいています。政治改革と政変を繰り返した国家の始まりの時に、思いをはせながら巡りたい場所です。

「飛鳥・藤原の宮都」として世界文化遺産に登録された石舞台古墳

クラブツーリズムのツアーでは、世界遺産「飛鳥・藤原の宮都」を構成する史跡を中心に訪問します。聖徳太子誕生の地と伝わる橘寺、日本最古とされる仏像が鎮座する飛鳥寺を参拝するほか、日本最大級の石室を誇る石舞台古墳や、飛鳥宮跡、藤原宮跡などを巡ります。

重要文化財・飛鳥寺 銅造釈迦如来坐像(ざぞう)。飛鳥時代に作られた国内最古の仏像といわれている。飛鳥寺は日本で最初の本格的寺院として知られ、蘇我馬子の創建とされる

7世紀末頃から造られた終末期古墳として有名な高松塚古墳やキトラ古墳も必見。さらに、通常は非公開となっている牽牛子(けんごし)塚古墳の石室内へと特別に足を踏み入れられるのも、クラブツーリズムならではの贅沢(ぜいたく)な体験です。

牽牛子塚古墳。古代天皇家墳墓を象徴する「八角形」、日本全国でも5基しか存在しない形。通常石室内は非公開だが、ツアーでは特別に入室可能

当日は歴史ナビゲーターが同行。当時の暮らしぶりなどを聞きながら歩くことで、まるで古代へとタイムスリップしたかのような臨場感とともに、注目の地を余すことなく旅することができます。国家誕生から1300年以上を経て、再び注目を集める「日本国誕生の舞台」。その歴史的価値が、今、世界に向けて新たな光を放とうとしています。

日本の始まりを知る上で欠かせない、遺産や古墳の数々

歴史ナビゲーター、四天王寺大学 講師 辰巳俊輔さん

明日香村には日本の始まりを知る上で欠かせない遺跡や古墳がいたるところに点在します。飛鳥宮跡など、現代社会の根幹となる制度や文化が誕生した地も。「飛鳥・藤原」の時代は遠い過去ではなく、現代と強い結び付きがあることを現地で感じていただければと思います。

明日香村の景観も、ぜひ楽しんで

一般社団法人飛鳥観光協会 代表理事 田中祐二さん

飛鳥時代の石造物の多くは、牽牛子塚古墳の被葬者の1人、斉明天皇の時代に造られました。当時の技術や営みにも、思いをはせてみてください。明日香村は、明日香法により景観の保全が良好。見学される際にはぜひ、村の景観も楽しんでほしいと思います。

2019年登録 大阪「百舌鳥・古市古墳群」

ピラミッドや始皇帝陵と並ぶ、世界3大墳墓へ

日本最大の前方後円墳である仁徳天皇陵古墳。大阪湾からの眺めを意識した場所に造られている

2019年に世界遺産に登録された大阪「百舌鳥・古市古墳群」。土製建造物のたぐいまれな技術的到達点、墳墓によって権力を象徴した日本列島の人々の歴史を物語る顕著な物証であるとして登録されました。

その代表的資産として知られるのが、エジプトのクフ王のピラミッドや中国の始皇帝陵と並んで世界3大墳墓の一つとされる仁徳天皇陵古墳。全国に16万基以上あるといわれる日本の古墳の中でも最大*で、その圧倒的スケールからは古代王権の息吹を感じずにはいられません。

ツアーでは、世界遺産に含まれる10の古墳を巡ります。ただの観光ではなく、歴史ナビゲーターの解説とともに気づきと学びを深める旅へ出かけられます。複数の古墳を効率よくまわるのは個人では難しいこともありますが、専用バスで負担なく巡ることができるのがうれしいところです。

※古墳の「大きさ」は墳丘長で比較しています(堺市文化観光局発表)

2021年登録 北東北「北海道・北東北の縄文遺跡群」

謎深き、1万年以上続いた精神文化を探る旅へ

JR五能線木造駅では遮光器土偶のオブジェに出会える

約1万5千年前から1万年以上続いた不思議な時代としても人々を魅了してきた縄文時代。その縄文文化が花開いた地として知られる「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、世界的にも農耕社会以前の人類の生活や、精密で複雑な精神文化を示す点などが評価され、2021年に世界遺産に登録されました。

中核を成すのは、日本最大級の縄文集落跡である青森県の三内丸山遺跡。豊かな自然の恵みを受け、マメ類の栽培や酒造りまで行っていたとされる暮らしぶりが発見されています。一方で突如として集落を放棄したとされ、その理由は今も深い謎に包まれています。

三内丸山遺跡の象徴である巨大な大型掘立柱建物(復元)。用途は神殿か物見やぐらか、いまだ解明されていない

ツアーではナビゲーターが同行し、現在も発掘が続くこの地をひもといていきます。時を超え、今なお人々を引きつける太古のロマン。日本の精神文化のルーツともいえる地を体感する旅は、個人的な発見も与えてくれるかもしれません。

※本記事で紹介している内容は、2026年7月時点の情報をもとにしています。 最新情報は、公式サイト等でご確認ください。