屋号(やごう)

市川團十郎家の「成田屋(なりたや)」、尾上菊五郎家の「音羽屋(おとわや)」、中村勘三郎家の「中村屋(なかむらや)」、松本幸四郎家の「高麗屋(こうらいや)」など、名跡と同様に代々伝わる家の称号を「屋号(やごう)」といいます。
江戸時代の歌舞伎俳優は苗字を名乗ることを許されなかったため、代わりに使用していました。
上演中に客席から舞台上の役者に掛かる声を聞いたことがありませんか?掛かる声はこの屋号で、俳優を褒め称えると同時に舞台を盛り上げる効果があります。ちなみに、この掛け声、大向こう(舞台から見て正面に当たる観客席後方の席)の男性客が掛けることが一般的です。女性が掛けたり、桟敷席や1階席から掛けるのはご法度とされています。“通”になったら一度は掛けてみたいですね!